SECONDE


『…私の場違い感凄くないですか?』

「いやいや、苗字さんが居ってくれると双子が調子ええからな〜。ほんまに助かるわ〜」

『…黒須監督も私が参加する事よく許しましたね』

「最初は反対したんやけど、苗字さんが来るって決まってからの双子の調子は右肩上がりやったからな」

『………』



名前が苦笑を浮かべると侑が指示を出していた。それに名前は首を傾げ隣に立っている黒須に質問を投げかける。



『なんで侑が指示出してるんですか?主将は休みですか?』

「侑が主将やで?」

『………もう1回聞いてもいいですか?』

「侑が主将やで」

『……………』

「ははっ、そんなに侑が主将なんは意外か?」

『……意外かと聞かれたら奇想天外ぐらいです』

「正直モンやな〜」



名前が驚きから少しだけ眉を寄せながら侑を見つめると、それに侑が気付き小さく微笑む。


『……まぁ、バレーに対しては誰よりも真剣ですもんね』

「それに頭に血ィは上りやすいけど周りは見えとるからな」

『……確かに』



名前は小さく笑って侑の背中を見つめる。その姿が中学生の時の侑と重なり、また小さく笑った。




******




「すっかりマネージャーやん」

『私が部員だったらこんなオバサンのマネージャーは嫌だけどね』

「まぁ、せやろな」

『おい。否定しろ』



名前がスクイズにスポドリの粉を入れて水を入れていると休憩中の侑がタオルを首にかけながら名前の隣に並ぶ。



『休憩中なんだから休憩したら?』

「4日間しか一緒に居れへんのやから少しでも居りたいやんか」

『………なんか、押しが強いですね、』

「最初はプライドとか恥ずかしさが邪魔しとったけど、尻軽な名前相手にそんなくだらん事で遠慮しとったら取られるかもしれんからな」

『……尻軽じゃないし』

「顔赤いけどどしたん?なんかあったん?」

『…そのニヤニヤ顔やめて』

「フッフ、俺の事意識しとん?」

『してませんけど!?』



名前が唇を尖らせながら誤魔化す様にスクイズの蓋を閉めると侑が嬉しそうに頬を緩めて名前の顔を覗き込む。



「もっと俺の事意識してや」



名前は侑の色気を含んだ笑みにこれから4日間の事を思い目眩がした。





戻る


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -