SECOND40




「名前〜!!」

『あっ!侑!』




名前が数ヶ月ぶりに神戸に降り立ち、改札を抜けると制服の侑が名前を見つけて片手を上げて左右に振る。



『ごっ、ごめん!文化祭抜けてきちゃって大丈夫だった?』

「ちょうど店番終わったから平気や」




侑は名前の持っていた荷物をサラリと奪うと慣れたように名前の片手を取って指を絡めた。それに名前はギョッとする。



「荷物どうする?ホテル置いてからにするか?」

『あ、えっと、ほ、ホテル寄っていってもいい?』

「ええよ。…………なに驚いとん?」

『いや、あの、な、慣れてるな…と、思って…、』

「慣れてる?」



侑はなんの事か分からないのか首を傾げた。名前が視線を下ろして繋がれた手を見ると、それにつられて侑も視線を下ろした。



「……あれ?いつの間に繋いだん?」

『…え?』

「名前と会うと手繋ぎたいなぁって思っとったから無意識に繋いどったわ」




ニカリと笑ってそう言った侑に名前は顔を赤らめてそれが見られないように顔を下げて足元を見つめた。




「ホテル何処?」

『……あっち』

「あっちって、どっちやねん」




侑は楽しそうに笑うと名前に合わせるようにゆっくりと歩き出した。









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