SECOND32
『わぁ〜!可愛い!凄い!可愛い!!』
「確かにこれは凄いな」
届いた料理は写真と同じクオリティで可愛らしく、名前は瞳を輝かせた。
「サムなら気にせず食いそうやな」
『た、確かに…、』
2人は可愛さなど気にせずにメニューを食べる治を想像して笑った。
『しゃ、写真撮ってもいい!?』
「ええよ」
名前はスマホを取り出し、侑の前に置かれたシロクマセットの写真を撮り、次に自分の前に置かれたイルカセットの写真を撮る。
『い、いただきます』
「いただきます」
2人は手を合わせてスプーンを持ち上げ食べ始めると、名前は頬を抑える。
『ん〜!美味しい!可愛いのに美味しいって凄い!』
「さっきから凄いしか言うとらんぞ」
『だって凄い!』
そんな会話をしながら食事を終えると侑はまたメニューを名前の前に広げた。
「デザートもあるけど食べるやろ?」
『食べる!』
「俺もまだ腹に余裕あるし好きなの2種類選んでええよ」
『侑は食べたいの無いの?』
「俺はなんでもええよ」
『………なんか、侑が異常に優しい』
「異常ってなんやねん!」
名前がジト目で怪しむと侑は名前を睨み返す。
『っは!もしかして見返りを求めて…!?』
「……まぁ、間違っては無いけどな」
『わっ、私そんなにお金無いよ!?ニートだし!』
「金ちゃうわ!!」
侑はそう言うとフーっと息を吐いてまた肘を付いて顎を乗せる。
「……好感度上げるためや」
『好感度…?』
「そう。少しでも名前が俺ん事好きになるように点数稼ぎしとんねん」
名前が目を見開くと侑は名前の頬に手を伸ばし頬に触れて親指で頬を1度撫でると口角を上げた。
「はよ俺ん事好きになれ〜って頑張っとんねん」
侑はそう言って笑うと、またメニューに視線を下げた。名前もつられる様に視線を下げて必死に熱くなった頬を冷ますために烏養の白目姿を思い出していた。
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