SECOND31
『か、可愛すぎない!?』
「水族館やからな」
レストランに着いてメニューを開くとイルカを型どったカレーや、クラゲをモチーフにしたアイスなどでメニューが彩られ名前は瞳を輝かせた。
『今どきの水族館って凄くない!?可愛すぎない!?凄すぎ!!』
「テンション高いな〜」
侑はペラペラとメニューを捲り一通り見終わるとパタンとメニューを閉じた。
『侑はもう決まったの?』
「ん〜、まぁ、決まったわ」
『…?』
煮え切らない侑の返答に名前が首を傾げると、侑は机に肘を付いてその上に顎を乗せると優しげに微笑んだ。
「名前はどれにするん?」
『迷うな〜!イルカも可愛いけどシロクマセットも可愛い!でもペンギンも捨て難いっ!』
「少なくとも2つに絞ってな」
『ん〜!イルカかシロクマか!』
名前が唸りながら悩むと侑がメニューに肘を付いていない方の指をトンと置いた
「俺がシロクマ頼むから名前はイルカ頼んだらええよ」
『え?でも侑はもう決まってたんでしょ?』
「別に決めてへんからその2つ頼んで分けっこしよ」
『で、でも、』
「あかん?」
侑は少し首を傾げると名前は眉を下げながら小さく謝ると侑は手を伸ばし名前の額を弾いた。
『いたっ、』
「なんで謝んねん」
『……ありがとう』
「おん」
侑はそう言って笑うと額を弾いたせいで崩れた名前の前髪を優しい手つきで直すとまた微笑んだ。
『……』
名前は侑から発せられる優しげな雰囲気に恥ずかしくなりお冷に口をつけた。
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