SECONDH
「よっしゃ〜!!今日もやるで〜!!おっしゃ〜!!」
部活が始まるや否や、侑は大声でそう言い、誰が見ても分かるくらいに張り切っていた。
「…名前さん、ツムになんか余計な事言いました?」
『なんですぐに私のせいにするの!?』
「良くも悪くもツムのテンションが可笑しなるのは10割名前さん関係なんで」
『10割!?全部私!?』
名前の隣に立っていた治は鬱陶しそうに侑を遠目で見ながら名前に声をかける。
「名前〜!」
『な、なに?今日テンション高いね?』
走って名前の元にやって来た侑に名前は原因を探ろうとそう言うと侑は機嫌が良さそうに笑っていた。
「今日も俺は主将やからな!」
『え?稲荷崎って主将当番制なの?』
「そんなわけないでしょう」
「主将の俺はイケイケやで〜!!」
『……………あ、』
「…………やっぱり名前さんが余計な事言うたんですね」
名前は昨日の事を思い出して小さく声を上げると治がジト目で名前を睨む。名前は冷や汗をかきながら視線を逸らすと、隣で治が小さく溜息を吐いた。
「…まぁ、正直あのツムはバレーの調子もええからウザイけど仕方ないわ」
『そ、それは良かった…、』
名前が声を裏返させながら答えると遠くから侑の練習開始の声が響いた。その声はやはり上機嫌そのものだった。
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