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「そんで?さっきの男は誰や?どういう関係や?」
「ただの後輩や無いんでしょ?告白されたんでしょ?」
『………あの、えっと、』
何故私は夜中に仁王立ちしている高校生の前で正座をして居るのだろうか。
『…もう、夜も遅いし、寝たいかな』
「せやな。俺も眠いわ」
「やから早く答えてください」
『本当にただの後輩だよ…』
「告白されたん?」
「……名前さん」
『……告白、的な?』
私が誤魔化すように笑うと2人はスンと真顔になった。
「………名前」
「俺らが居るのにあんな男と付き合うなんて言わないですよね?」
『……付き合うもなにも、告白されたわけじゃないから、』
侑くんと治くんは拗ねたように唇を尖らせると私の前にしゃがみ込んだ。
「……早く俺らの事好きになってや」
「他の奴なんか見んといて」
眉を下げて言う2人にキュンと胸が高鳴った。
「…今日泊まっていってもええ?」
『…まぁ、この時間に帰すわけにもいかないし』
私が承諾すると2人は立ち上がりバタバタと移動してバックをゴソゴソといじる。
『……何してるの?』
「これ忘れた時用のパジャマ!置いてってええ!?」
「歯ブラシも置いてってええですか?」
『…………最初から泊まる気だったな』
でも2人が私と仲直りをするつもりでいてくれた事が嬉しくて笑ってしまうと2人が私を見つめて固まった。
『え、ど、どうしたの?』
「………………可愛ええなぁあぁ!!」
「そんなに可愛く微笑まんといてください。心臓止まりました」
『かっ、可愛くないし!』
2人が私にガバリと音が付きそうなほど勢い良く抱き付いてきて可愛い、可愛いと繰り返す。段々と恥ずかしくなって顔が熱くなって、それを隠すために腕で顔を隠す。
「え?顔真っ赤やん。前まで可愛ええって言っても表情変えんかったのに!」
「……なんか、名前さん美味そう」
『たっ、食べ物じゃない!!』
腕を剥がそうとする2人に必死に抵抗して顔を守る。恥ずかしいし、顔を見られるのは嫌だけど戻って来た日常に勝手に頬が緩んだ。
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