04


『もうそろそろ店開ける?』

「あー、そのつもりやったけど…」



そう言った宮さんは外を眺めていて、気になって俺も外を見た。



『……はぁ!?』

「雪やばいな」

『……電車動くのか?これ…』




外は真っ白で雪が何十センチも積もっていた。



「昨日も雪やばくてさっきも降ってたからな」

『…そこら辺のネカフェ行くか』

「……」



俺が小さく呟くと宮さんは被っていた黒いキャップを外して片付けを始めた。



「20分くらいで片付けるから待ってろ」

『え?いや、でもこの雪じゃ車も無理だろ…』

「車やなくて、うちに泊めたる」

『………は?』






******



「もっと奥詰めろや」

『いや、え?』

「布団無しは流石にキツいわ」

『いや!なんで同じ布団で!』

「他に布団無いんやから仕方ないやろ。心配せんでも襲わん」

『俺が襲うかもしんねぇじゃん!俺ゲイだって言ったよな!?』

「お前なんかに襲われへんわ。俺は鍛えとる」

『っ、』



確かに宮さんはがっしりしていて俺が万が一襲ったとしてもきっと、押さえつけられて終わりだ。



『……そういう態度、やめた方がいいと思うけど』

「そういう態度?」

『誰にでも優しくすんの』

「……」

『…俺みたいなバカは勘違いすんだよ』




俺は唇を噛んで、パッと笑みを浮かべる。



『なーんてね!この間のドラマのセリフ!』

「…」

『明日は暖かいらしいし、朝早くには出て行くよ。泊めてくれてありがとう。おやすみ』

「…おん、おやすみ」





俺は宮さんに背中を向けて眠りについた。






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