03




「そんで?なんで昨日あんな所に居ったん?」

『…それ聞くか?普通』

「別に話した無いんやったら答えんでええけど」

『……彼氏に浮気された』

「へぇ」

『しかも俺の部屋で』

「うわ、えげつないな」

『…俺が帰ったら俺のベッドで女とヤってた』

「……」

『俺に気づいたらなんて言ったと思う?』

「…謝ってきたとかか?」

『…女に俺の事、弟って言ったんだよ』

「……はァ?」

『笑っちゃうよな』




昨日俺が部屋に帰ると女とヤっている最中で俺が呆然としていると、彼氏であるはずの男が女に向かって俺を弟だと言った。俺は勿論否定した。



『……やっぱり女の方が良いんだってさ』

「……」

『…まぁ?元々はノンケだったし。仕方ないよな』




彼氏は元々ノンケで、ゲイバーで会って話が弾んで付き合うことになって。でも体を重ねた事は無かった。



『厳密に言えば、ヤれなかった、だけど。俺が下でさ、痛すぎて入らなかった』

「……」

『まさか俺が下だなんて思ってなかったし、入んなくて中断して…、そんで女に取られてさ。……だせぇ』

「アホか」

『いたっ!』




突然、額に痛みが走り目を見開くと宮さんの指が目の前にあって額を弾かれた事に気づいた。



「…ヤれへんかったら他行くってクズ男やっただけやろ」

『……』

「お前は悪くない。それにダサくも無いわ」

『……』

「まっ、男を見る目が無いのは確かやな」

『……』



そう言って宮さんは笑ったけど、不思議と嫌な気分にはならなかった。





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