Novel
澤村さんとキスA


※続き
※バカみたいに長い

カーテンを閉め、また私に跨った大地さんは優しい手つきで私の頬をひと撫でした後、口づけを落とした。
ちゅ、と可愛らしい音を残して離れていってしまった彼の唇が恋しい。名残惜しくて薄目を開けると、意外と間近に彼の顔があって思わず甘い吐息を漏らした。

カーテンを閉めたといえ、まだ昼だ。顔が十分見えるくらいには部屋は明るい。
彼の瞳をのぞき込むと、情欲でまみれていた。なんとなく腰のあたりがむず痒くて少し身体をよじる。

「なまえ…」
切なげに私の名を呼ぶと、大地さんは私の首に唇を滑らせた。手持ち無沙汰になった手は、無意識に彼の頭を撫でる。
首筋を食む唇がくすぐったくて、彼の少し硬めの髪の毛をくしゃりと握った。

彼の手が私の脇腹を撫で始めたとき、突然彼がむくりと起き上がった。
俯いているので、表情はよく見えない。
「? 大地さん?」
「本当に、いいんだな」
やっと顔をあげてくれた大地さんを見ると、とても優しい顔をしていた。でも瞳だけは、まるでバレーボールの試合のときのようにギラついている。

今更、この人は何を聞いているのだろう。
私はそっと、お腹の上に置かれている彼のゴツゴツした手に触れた。
「嫌な理由、ないですよ」
にっこりと笑うよう努めると、大地さんは目を見開いた。
しかし一転して次の瞬間、彼は勢い良くTシャツを脱ぎ捨てた。
突然目の前に現れた素晴らしい筋肉美を持つ裸体に、今度は私が驚く番だ。

「ちょ、」
「脱がせて、いいか?」
もうヘソあたりまで脱がせかかってるくせに、と私は呆れつつバンザイをした。
「そういうの、多分普通は聞きませんよ」

ぱぱっと私は下着姿になってしまった。
「あの、布団」と近くにあったタオルケットを引き寄せようとすると、その手を彼が「いや、いい」と制す。
「……」
「…面白くない裸ですみませんでしたね」

私のグラビアを見て黙りこくる大地さんにムッとすると、彼はくすくすと笑って私の鎖骨に口付けた。
「いや、かわいいよ」
「お世辞お断りー!」
「びっくりしただけだ」
「え?何にですか?」

顔を上げた大地さんは、まだ楽しそうに目を細めている。
「だってなまえの下着、気合い入ってるから。さっきはキスだけで痴女だのなんだの言ってたくせに、意外とやる気満々だったのかなって。勝負下着?」
「!」
顔を真っ赤にして、ぱくぱくと魚のように口を開け閉めする私を大地さんはニコニコと笑って抱きしめた。
「…い、一応、そんな感じです…。」
「おー。かわいいのに悪いんだけど、外していい?」
「だっ、だからどうしてあなたはいちいち聞くんですか!ばか、変態!」
恥ずかしさのあまり罵り始める私を「はいはい」と軽く流して、彼はホックを外した。
なんだか突然心細くなって胸を押さえた私の手はいとも簡単に除けられ、下着もひょいと取り去られてしまった。

また胸を隠そうとしたら、今度こそ私の手は、彼の手によってベッドに縫い付けられた。
丸見えになってしまったのが恥ずかしくて顔を背けると、腕が解放される。でも私がまた胸を覆うより早く、彼は両手で私の胸に触れた。
「やわっこい」
「い、言わないでください!」
やわやわと優しい手つきで触られると、奇妙な感覚がお腹のあたりからせり上がってきて、呼吸が乱れる。

「は、ぅん」
これが噂に聞く『気持ちイイ』って感覚でいいのだろうか。不確定な初めての快感に戸惑っていると、不意に大地さんが胸に吸い付いてきたので体を跳ねさせた。
「うあ、」
「不慣れだなあ」
「当たり前じゃないですか!」
ぺしぺしと頭を叩くも、大地さんは(多分意図してないだろうが)熱すぎるほどの吐息をハアと吐き出して私の息を詰まらせる。

大地さんの手の平は緩急を付けて乳房全体を包んだり、でも時には指先で先端の飾りを弾いたり、確実に私に快感を与えんとする動きをしている。
「ん、あ」
自分でも聞いたことのないような声が恥ずかしくて口を押さえると、大地さんは「声出していいから」と笑った。
「ん、っ恥ずかし、です」
「別にいーのに」

私の胸をひとしきり弄ったあと、大地さんはついに私のショートパンツに手をかけた。
ひーどうしよう、と胸を押さえて硬くなっている間にも大地さんの手は私のパンツをも脱がせる。

ぎゃっと色気のない悲鳴を上げ「ふふ布団布団!!」と叫ぶも、さっきと同じように大地さんは「いいから」と私の上から退こうともしない。
「何がそんなに恥ずかしいんだ?」
「恥ずかしいですよ!大地さんはズボン履いてるくせに!!」

びしっと彼の下半身を指さすと、大地さんはきょとんとした顔をして首を傾げた。
「脱いだらなまえ、びっくりするかなと思って脱がなかっただけなんだけど、脱いでよかったのか?」
「え、」
大地さんはみるみるうちに、パンツ一丁になってしまった。
「だってなまえ、男兄弟いないし」
「あの」
そのまま全裸になろうとする彼を必死に止める。
「いい!!いいです!あの、いざって時に見ますから!今日はいいです!」
「いざって時って」
大地さんは私の言葉に、ふは、と小さな笑い声を出した。
「でもパンツがあると窮屈だな」
「、っ!?」

思わず彼の中心へ視線を寄せると、大地さんのそれは苦しげに布を突き上げていた。
一気に心拍数があがるのを感じる。
「……!」
「はは、見すぎだ」
「す、すみません」

慌てて目を天井へ向けると、いつの間にか私の足の間に入っていた大地さんが足首を掴み、ぱかっと広げた。
反射的に閉じようとする私の足は、大地さんによってびくともしない。

羞恥のあまり目を閉じると、大地さんの指が私のそこへ滑る。
「わ、ぁ」
彼の硬めの指先は、何かを確かめでもするように数回入り口をスライドする。
「んー、あんま濡れてないな」
「え…ご、ごめんなさい…」
「いや初めてだから仕方ない」
「…なんか経験豊富」
「本に書いてあった」

意味深な『本』について問いただそうするが、背筋にせり上がる強い快感に私は喉を反らせた。
「あ、っん! ゃ、」
大地さんの指が、敏感な芽をクリクリと円を描くように動いている。かと思えば人差し指と中指の2本でそれを挟み、扱くように上下に揺らす。
「ああ、あぅ、だいちさ、」
「なまえ、気持ちいいか?」
その質問に答えるのは気恥ずかしかったので、「んん」と曖昧な返事をした。

大地さんは再び、入り口に指を這わせる。今までの愛撫のおかげだろうか、さっきよりは滑りがいいように感じた。
彼は私に一度だけ口付けた後、指を一本差し込む。初めて感じる圧迫感、そして異物感に私は思わず眉間に皺を寄せてしまった。

「う、大地さん、挿れすぎです」
「まだ第一関節だぞ。痛いか?」
薄目を開けると、心配そうな顔をした大地さんが私の足の間から顔をのぞかせていた。
「ちょっとだけ」
「そうか…。」
大地さんはそう短く返事をすると、ゆっくりと第一関節だけを抜き差しした。ぷちゅぷちゅと聞こえる水音がとてつもなく恥ずかしい。

ずっと厳しい顔をしていると、ふいに大地さんが指を抜いた。
「やめるか?」
「え、」
驚いて彼を見つめる。こんな不感症みたいな女、イヤになってしまったのだろうか。
「だって別に、今日じゃなきゃ駄目だっていう訳でもないし、ちょっとずつ慣らしていけばいい話だろ」
私は今まで、大地さんの何を見ていたのだろう。この人はそんな男ではないではないか。
大地さんの瞳には慈愛しか浮かんでおらず、私の心にはその温かな色が広がっていった。

「でもその代わり、ちょっとトイレには行かせてくれ。どうにかしないと」
と眉を下げて笑顔を見せてくれた彼に抱きついた。素肌と素肌が触れ合う。どちらも熱かった。
きっと彼にも、この心音が聞こえてしまっているだろう。
「いいです」
「…え?」
「最後まで、しましょう」
「あのななまえ、無理しなくていいんだぞ」
「無理してません」
かぷ、と形の良い耳に噛み付いてみると、「ぅ、」と彼が息を詰まらせたのが聞こえた。

「ちょっと痛いと思いますけど…あの、気持ちよかったですから。ちゃんと。だから大丈夫です」
一息に言い切ると、ばふ、と私はマットレスに埋められた。
「理性が持たない」
ギラついた目でそう呟くやいなや、私の唇は大地さんに奪われた。

彼の厚めの舌が私の唇をぺろりと舐め、は、と興奮気味に息を吐き出した彼の舌が咥内へ深く侵入する。
大地さんに愛撫してもらっていたときは、ただ彼に身を委ねているだけでよかったけれど、キスとなると舌の動かし方が分からない。
ふいに名前を呼ばれ、口を開けたまま「あい」と間抜けな声を漏らすと、大地さんは唇をくっ付けたまま「舌、出せ」と言った。
普段温厚な彼が命令口調になるなんて、と下腹部がきゅうと疼いた気がした。

「俺のに、絡めて」
掠れた声で低く呟かれると、選択肢は従うしかなくて。
恐る恐る舌を伸ばして、何か柔らかなものに触れた。それが大地さんのものと理解すると、私は思い切って自分のそれと絡める。
「ぅ…ふ、んぁ」
「…は、」
大地さんの舌気持ちいいとか、大地さんも感じてくれてるんだとか、私の頭はだんだん快感でぼうっとしていった。
いつだったか、『キスはセックスの唇版』と聞いたことがあって、その時はんなアホな、と鼻で笑っていたが今やっと理解した。

大地さんが顔を離すと、私たちの間には銀色の糸が引いていた。それがなんとなく恥ずかしくて目を伏せる。
すると彼は小さく笑って、また私のナカを慣らそうと試みる。滑りを良くしようと指を舐めるのが異常にセクシーに見えて、私は唇を噛んだ。

大地さんの指はするするとそこをなぞって、入り口を探し当てると少しずつ侵入していく。
「…ん、」
やはり妙な圧迫感に慣れることはなく、うーと唸っている私に彼は口付けてくれると私の緊張が少しだけ解け、やっと人差し指を挿れることができた。

それから大地さんは、胸や陰核を弄ったり頭を撫でてくれたり色々な方法で私をリラックスさせてなんとか2本目もすべてが入りきった。
「…だ、大地さん、入りました?」
「ああ。辛くないか?」
「…っ少し」
すまんな、と大地さんは私の頬に口付けて、くるりと後ろを向いて背中を丸めた。
どうしたのだろう、と不思議に思ってしばらく待っていると、どうやら避妊具を装着していたようだ。

「なんだ、大地さんも考えてたんですね? 『なまえがいいって言うまでしない(キリッ』とか言っちゃって―」
「…うるせ」
大地さんをからかってみると、彼は顔を赤くして口をとがらせた。
「まあ、避妊してもらわなきゃ困りますけど」と避妊具が着いているであろう大地さんのそれを見る(あくまで見たかったのは避妊具!!)と、私は目を見開く。

「…!?」
「あれ、"いざって時"にしか見ないんじゃなかったのか?」
大地さんが悪戯っぽくこちらを見てくるが、私はそこから目が離せなかった。

「…で、でかい」
隆々と漢らしく天井に向かってそそり立つそれは、さっき指で痛がっていた私のナカへ入るとは到底思えない。
「え、そうか?旭には負けてると思うけど」
「比べる対象がなんか違う!」
大地さんは照れくさそうにぽりぽりと頬を掻き、私の上へ覆いかぶさってきた。

「何せキツいからなあ…痛かったら言えよ。努力はする」
「は…はい」

ああ、お母さんお父さん。私はついに大人の階段を登ります。

大地さんは先端を入り口へ擦りつけ、愛液を絡ませるとそれを私のナカに押し込んだ。
「――っ!! い、」
まだ先端のせの字も入っていないのに、さっきとは全く違う圧倒的な質量に、視界がちかちかと眩むような気さえした。
「悪い、」
大地さんはそんな私のおでこを手のひらで撫でた。大地さんも辛いだろうのに、私に気を遣ってくれるのがとても嬉しかった。

「あの、だいじょぶ、ですから。」
「いや痛いだろ。待つから、ほれゆっくり深呼吸」
大地さんは、すってーはいてー、と私の胸元に手をあてて言った。
それに合わせて呼吸をして暫くすると、ズン、と突然彼が腰を進めた。

「っ!?」
「……キツ」
目を見開いて身を縮こまらせると、大地さんは切なげに眉を歪めて熱い息を吐き出した。

「スマン、『挿れる』とか言ったらなまえ、無駄な力入るかと思って。そしたらもっと痛いだろ?」
「あ、そ、なんですか。」
「突然で悪かったな」
「いえ、多分そのほうがいいです。…でもなんか、やっぱり大地さんの経験豊富感が」
「本な」

再登場した『本』についてまた言及する間もなく、大地さんは律動を始めた。
「…っぅ、ん、」
私を気遣ってか、基本的にはゆったりとして、でも時々激しい大地さんに揺さぶられて、最初はピリピリとした痛みを感じていたがだんだんと快感を得られるようになってきた。
「あ、あん、ふ、ぅ、」
次第に大きくなる嬌声を聞いて、大地さんは私の腰を抱え直す。
そして大地さんは、彼のものを先端まで抜き、一気に腰を落とした。

瞬間、感じたことのないような大きな快感の波が私を襲う。
「〜〜っ! ああっあ、んあ、なに、」
「やっぱ、ここ、か」
ある一点だけを集中的に穿たれると、私の視界には白い星がぱらぱらと舞った。
さっきまでは背筋をせり上がるだけだった快感が、頭のてっぺんから足のつま先に行き渡るような感覚。
快感の波に攫われて、自分を失ってしまいそうに感じた。

「あっんっだいち、さん、こわ、い!」
「…は、大丈夫だ」
思わず彼の首に腕を回すと、彼の太い腕が背中を支えてくれた。
彼が「大丈夫」と言ってくれるだけでこんなにも不安が取り去られるなんて、本当に不思議で、本当に安心する。

ぎゅうぎゅうと中心が収縮するのが自分でも感じられ、喉からは声にならない声が漏れでた。
「〜〜〜!!」
それに合わせて、大地さんの腰の律動が一番速くなり、彼は私の耳元で低く呻くと、最奥に腰を数回打ち付けた。


どさっと大地さんの身体が脱力して私の上に倒れこむ。重いことには重いが、今は不思議とそれが苦しくはなかった。
「は、は、はあ、」
「あー…気持ちよかった」
私がずっと犬のような呼吸を繰り返していると、大地さんは起き上がって笑顔を見せた。この体力差、やっぱり体育会系だからだろうか。






やっと私の呼吸が落ち着いて、私たちは二人でベッドに寝そべった。腕枕をしてくれている彼の腕にスリスリと頬を擦り寄せると、ふいに大地さんが口を開く。

「でも、なまえも気持ちよくなってくれてよかった。初めてだと痛いだけだって見たから」
「あ、あれが"イく"ってことなんですね…」
感心して頷くと、大地さんは少し笑い声をあげる。

「ところで、」
と彼を見つめる。「ん?」とこちらを見た大地さんと目が合った。
「『本』について、教えてください?」
笑顔でそう言うと、大地さんは苦虫を噛み潰したような顔をして視線を逸らした。





*****
長いですね。裏難しいですね。でも大地さんの色んなところムシャムシャしたいです(意味深)。
女の子のことについて書いてあるエロ本ってあるんでしょうか?(真顔)


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