Novel
SHTY


※ちんぽこどっこいしょ澤村
色恋様に提出


俺はただ、俺の上に跨って服を脱ぐなまえの姿を見つめていた。
適当に服を脱ぎ捨てた彼女を見ると、もうだいぶ酔いが回っているようだ。
「なまえ、飲み過ぎだ。寝よう」
そう制止する一方、どこかでこの状況を喜んでいる自分がいるのに気づく。


上半身はブラジャーだけの姿になった彼女は楽しそうに鼻歌を歌いながら俺の服のボタンに手をかけた。
感覚もあやふやになっているのか、それとも早く事に及びたくて焦っているのか分からないが、ボタンはなまえの細っこい指を掠める。
「…手伝うか?」
少し微笑みながら彼女の手に触れると「いいから!」とぴしゃりと追い返されてしまった。
苦戦しながらもぷちぷちとボタンを外す彼女を見ながら、僥倖もあったもんだ、と俺は熱い息を吐いた。

普段、なまえから求めてくれることはほぼ、いや全くといっていいほどない。そんな謙虚な彼女をかわいらしいと思う反面、少しもの足りなく思っていたのも事実だった。
悪酔いするとこんなふうになるのか、と彼女を見ると、俺の視線には気づかずに、すべすべとした手のひらを俺の上半身に滑らせていた。
「大地、お酒臭い」と俺の首筋に顔を近づけて言った彼女に、俺は心の中で「お前もな」と返した。


「――気持ちいいの?たってるけど」
指の腹で乳首をこねられ思わず息を漏らすと、どこか嬉しそうな彼女に顔を覗きこまれた。肯定するのもなんだか癪だったので、曖昧な返事をした。
そのままなまえは、俺の乳首を口に含み今度は舌で嬲ってきた。時折見える、柔らかな舌の赤さに、図らずも身体の中心が疼いたような気がした。
「は、――っあ、」
男のくせに喘いでいるなんて、となんだか無性に恥ずかしくなり唇を噛みしめると、なまえが「声ガマンしないでいいよ」と笑った。
どこかで聞いたことのあるその台詞に、なまえを見上げた。すると彼女は悪戯そうに目元を緩め、大地の真似、と言った。

「いつもの仕返しー」
腹筋をぺろぺろと舐める彼女は、俺の股間をやわやわ触り始める。パンツの中で軽く膨れ上がっているであろう自身を、手のひら全体で包み込まれるとたまらなかった。普段はお互いの性器を見るのも見られるのも恥ずかしい恥ずかしいと布団に顔を埋めてしまうなまえであるはずだった。その豹変ぶりに彼女を見つめていると、愛しげに俺のヘソに口付けた。その光景に思わずなまえの頭を撫で付けてやると、猫のように目を細めて腹に額を擦りつけた。


いつもとは違うなまえの様子に、俺も感化されてしまったのかもしれない。普段から、彼女に何かを強要することは絶対にしないよう心がけていたはずだった。
俺はジッパーを下げ、天井に向かって立ち上がった己を取り出すと彼女の口元に近づけた。
拒否されたらどうしようか。そんなことを考えながら、彼女に自身の先端を突きつけてぼうっとしていると、細い指がおそるおそる、といったふうにそれに触れた。
先端を人差し指でちょん、とつつかれて思わずびくりと腰を引かせると、なまえも肩を震わせて手を引っ込めてしまった。

俺は自身の根本を握りしめて、なまえは人差し指を立てたポーズでじっと見つめ合ったまま少しすると、先に口を開いたのは彼女のほうだった。
「――舐めればいいの?」
彼女は一瞬だけ俺の一物に視線を落として、それからまた俺を見上げた。その瞳がとろりとした情欲に塗れていて、俺は釘付けになって息を詰まらせた。
なまえは俺の返事を待たずに、ちゅうとかわいらしい音を立てて俺の先端に吸い付いた。
「――ん、」
何度かバードキスを落とし、それから赤々とした舌を出してぺろりと先端を舐めた。あぁ、と小さく声を漏らすと、彼女は嬉しそうに目を細めて俺を見上げた。
「こっち、見なくていいから」
視線が絡み合った瞬間、爆ぜてしまうのではないかという感覚に襲われて俺は咄嗟に天井に視線を滑らせた。なまえはというと、そんな反応を示した俺に味を占めたのか、嬉しそうに喉の奥で笑ってついに俺のものを口に含んだ。

俺の先走りと彼女の唾液が混ざり合って、なまえが頭を前後に動かすたびにぐじゅぐじゅといやらしい音が聞こえた。口の端から漏れた液体をなまえは掬い取り、そのまま俺の一物を握って上下にしごいた。
「……どこでそんなテク、覚えてきたんだ?」
返答によっては仕置きだ、と思いながら尋ねると、あっけらかんと答えた彼女の口から帰ってきた言葉は俺を驚かせるには十分だった。

「ビデオで見たの。」
「……は?」
穴が開いてしまうのではないかというほどに彼女のことを見つめていると、ようやく彼女が目を合わせてくれた。
「だから!もし、こういうことして、下手すぎて大地に嫌われるのが嫌だったから、菅原くんに大地のAVの好み聞いて――」
「ちょちょ、ちょっと待て!」
慌てて彼女を制すと「何?」とでも言いたげに俺を見た。
「なまえの言おうとしていることが全く理解できない。」
「だから今説明してるでしょ。ちゃんと聞いててよ。」
「……おう」
「ええと、どこまで言ったっけ?――そう、菅原くんに大地の好みの女優を聞いて、その人の動画見て、で、その……やり方とかも見たの」

俺は深い深い溜息をつきながら、ベッドの上に蹲った。AVの貸し借りなんてするんじゃなかった、と思うと同時に、道理で脳内で幾度となくなまえに変換して見ていたあの女優に口の動きやら何やらが似ているはずだ、とも思った。

突然落ち込みだした俺を心配するなまえの声が聞こえた。
「どうしたの?……私、やっぱり下手だった?」
その言葉に俺は弾かれたように顔を上げる。
「いや、そんなことないぞ!」
というか別に下手でも興奮する!と付け加えると、彼女は一寸きょとんとしたあと、至極嬉しそうに首を傾けて笑った。

そんな彼女の姿を見ると、頭のどこかでぷつりと何かが切れる音がして、気づくとなまえをベッドに押し倒していた。
「わっ、ちょ、大地!」
ぱたぱたと小さな抵抗を試みる彼女を一旦黙らせるため、荒々しく唇を彼女のそれに押し付ける。舌を差し込むと少し苦くて、その苦味の根源を考えて慌てて口を離した。
顔を歪めると、彼女も俺と同じような表情を浮かべていた。
「よく今の私とキスしようとか思うよね」
「今してから思った……」
そう言って少しだけ舌を出すと、なまえはおかしそうにけたけたと笑い声を上げた。

「今日は私が攻めようと思ったのにー」
「いつもはやれって言ってもやんないくせに、か?」
下着のホックを外しつつ彼女を見ると、顔を赤らめてそっぽをむいた。
「やれって言われてやるのと自分からやるのじゃ違うの」
真っ赤になってしまった耳の輪郭をなぞってみると、彼女は面白いくらいに首をすくめた。

正直、先ほどなまえから受けた奉仕で俺のアレは破裂しそうなほど膨れ上がっていた。
胸の愛撫もそこそこに、なまえの股間をまさぐってみると、そこはもうこれから何かをする必要もないくらい濡れそぼっていた。
「――濡れ」
濡れてる、と言おうとしたところですかさずなまえが「言わなくていいから!」と変わらず真っ赤な顔で抗議した。

「いいから、早く挿れて」
あいも変わらず劣情とアルコールにまみれている彼女は、俺の腕をゆるく掴んだ。

いつもはあまり何も要求しないなまえたっての希望だ。叶えてやらない理由はない。
先端を入り口に数回擦りつけてから挿入すると、濡れきったそこは雄を簡単に飲み込んだ。
「ぁあっ、ん……」
酒に酔っていても、なまえのそこはきゅうきゅうと俺を締め付ける。どうしようもない吐精感に襲われて、俺はすぐに律動を始めた。

「すごい濡れてるけど、」
なまえの腰を掴んで結合部を指先でなぞると、彼女はもどかしげに腰を揺らした。
「俺の舐めながら、感じてた、のか?」
「――やあ、言わな、で、んっ」

声を抑えようと噛み締めた彼女の唇に指を滑らせて、ひときわ強く腰を打ち付ける。すると彼女は大きな嬌声を上げて喉を反らせる。その喉の白さが際立って見えて、思わずそこに口を寄せた。
「あ、ぁ、大地、くすぐった、」
顎に触れる俺の髪の毛をくすぐったがる彼女の声は上ずっていて、なんだかいつもに増してなまえのことが愛しく思えた。

「――やべ、今日はもうイキそう」
「ん、わたし、も」

ぱんぱん、と肌と肌がぶつかり合う音が聞こえるくらいに強くまぐわると、繋がっているところでは、どちらのものとも言えない体液が宙にはじけた。

「あ、あっん、あぁ―――」
最後は声にならない悲鳴を上げ、足の先までぴんと張らせて身体を硬直させてなまえは絶頂に達した。
背中から全身に迸る快感に耐え切れず、俺もすぐに精を吐き出した。

びくびくと数回腰を震わせると、事後特有の気だるさに襲われてなまえの上に倒れこんだ。
「苦しい」と下からうめき声が聞こえるが、気にせずに彼女を腕の中に抱きしめた。





*****
S(澤村と)H(ヒロインが)T(ただ)Y(ヤってるだけ)
途中の大地さんの「ちょちょ、ちょっと待て」は今流行っているアレではないですゼッタイ。

>> Contents
>> Top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -