「や、やめてください!」


「いいじゃないか、ばれたりはしないよ」


「ばれる、ばれないの問題じゃ……」


「大丈夫、優しくするから」


「だから、そうゆう問題じゃ……」


「ん?自慢じゃないけど、我はなかなか上手いよ?」


「だから、ちがっ…」


「じゃあ、何が問題なの?」


「は、はじめてはシエルって決めてるんです!それに私はシエルの許嫁ですから、劉様とそのようなことは出来ません!」


「はじめて?マイリン、処女なの」


「…わ、わるいですか!」


「ふふ、いや、随分と伯爵に大切にされてるんだなと思ってね」


「シエルは貴方と違って変態じゃありませんから」


「どうかな?伯爵も意外とムッツリだったりするんじゃないの」


「シ、シエルは絶対絶対変態じゃありませんから!」


「ははっ、そうだといいね。ふふふっ」


「何で笑うんですか?」


「いや、伯爵は大事な許嫁の処女が奪われたら、どんな反応をするのかと思ってね」


「なに言って……、とにかく縄を解いてください!」


「それは無理なお願いだね。お楽しみはこれからだからね。」




劉は珍しく真剣な顔色になり、マイリンの首筋に唇を落とす。


「ひゃっ!やめ…」


そのまま舌を這いずらし首筋を舐めあげる。


「やめてください!」


劉はマイリンの首に赤い跡を付けた。そしてマイリンを解放した。


「じゃあ、伯爵によろしくねー」




「なんだったの……」



マイリンはわけがわからずぼーっとしていると扉をノックする音が。



「はいっ!」


「僕だ。入るぞ」


「シエル!おはよう。」


「ああ、」


「シエル、どうしたの?いきなり。」


「お前が遅いから迎えに来たんだ」


「……え?」


「お前、まさか忘れたんじゃないだろうな?僕との約束を」


「約束?……あ!思い出した、チェスをするんだよね!」


「はあ、お前から言いだしたんだぞ」


「ごめんなさい、度忘れしちゃった」


「お前の場合は度忘れではない。ただの馬鹿だ」


「馬鹿じゃないよ!シエルより秀才なんだから!」


「ああ、馬鹿のな」


「シエルってば、意地悪ばっかり言うんだから」



「…………」


マイリンの首に赤い跡を見つけた。


「マイリン、それは誰からやられた」


「……え?」


僕は付けていない、誰に付けられたんだ


「その赤い印は誰に付けられたんだ」


「…………」



僕の言葉に顔を俯かせるマイリン。その仕草にさえ苛立つ。小さく舌打ちをしてみせるとマイリンの肩は小さく震えた。



「マイリン、お前は僕の許嫁だ」


「……」


「お仕置きしないとな」


「…え、シエル?」



お仕置きに反応したのか顔が強張るマイリンに妖しく笑ってみせて、マイリンをベットに押し倒した。


「ちょっと!シエルっ」


「お仕置きだと言っているだろ」


逃げようとするマイリンの首筋に舌を這いずらせれば何者かに付けられた印に僕も印を付けた。


「シエル……」


「僕以外に誰にも触れさせるな」

そう、マイリンに触れていいのは僕だけだ


「うん、」


「お仕置きはこれからだぞ」


「……え!?」


「今のがお仕置きなわけないだろ、消毒だ」



マイリンの寝間着を脱がせば白く艶麗な肌が露になる。


「ひゃあ!……シエルっ、ダメだよ」


「マイリンに拒否権はない」


ずっと我慢してきたんだ。無防備すぎるマイリンにどんなに苦労したことか。頑張った僕を褒めてほしいくらいだ。



「恥ずかしいよ…」


「……綺麗だ」





マイリンの胸元に唇を落とし、赤い印を付ける。



「ん…、」


下着の上から胸に触れると、予想よりも大きくて少し戸惑った。


「んぅ…、」


「感じてるのか?」


「そんなことな、い」


そのまま下着を外して胸を露にする。


「マイリン、意外と胸大きいな」


「意外と、ってなによ…」


「いや、」


「あ、んぅ……やあ、」


まるく柔らかい胸を揉みしだくと洩れる甘い吐息に欲情する。


胸の突起が存在を主張しだすとそれに吸い付き舌で弄ぶ。


「シエルっ……、やあッ、あ、」


突起から唇を放す。手を下にずらしていき下着の中に侵入させると厭らしい音を立てて僕の手を濡らした。


「や、……んあ、はっ…あ、」


「マイリン、こんなに濡れてるぞ」


「やあ、」


「いやじゃないだろ、ここは僕を欲しがってるぞ」


「だめ、や、ぁん、…あっ」


「マイリンを僕のものにしたい」


「……シエル」


「いいか?」


「……うん、」




汗ではり付いた髪が厭らしく見える。唇を重ねて、ゆっくりと腰を沈めた。掴んだ腰の細さに驚いた。













「大丈夫か?」


「腰、痛い…」


「チェスはまた明日にしよう」


「シエルのばか!あんなに…は、激しくしなくてもいいのに。」


「ふんっ、マイリンも初めての割りには積極的だったじゃないか」


「そんなことない!」


「僕に"もっと"と言って縋ったのは誰だ、」


「………」


「まあいい、望みどうり、これからは"もっと"してやろう」


「シエルのばか!」








おまけ



「ところで、それは誰に付けられたんだ」


「………劉様」


「……劉め…、あいつは一度殺してやる」







─ Fin ─







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