「マイリンさん、好き…なんだけど」
「うん、」
「うん、って何だよ」
「付き合って欲しいんでしょ?だから、うん。あ、はいでもいいか」
「…え、まじで?」
「まじでまじで、」
愛されているような気がした
あの時は、満足してたんだ
マイリンさんがオレと付き合ってくれれば、オレのこと想ってくれてなくてもよかったんだ。
「マイリンさん、」
「なに、」
「オレのこと好き?」
「ん─…。どうだろ、」
今は、それだけじゃ足りないんだ。
ちゃんとオレのことも好きでいてほしくて、
本当の気持ちを怖くて聞けないオレと、聞きたくてうずうずしてるオレとが心の中で歪み合ってるのを、知らないふりをしたのは数知れず。
「えど、」
「なんだよ」
たまに、自分の苛々を#nmae#さんにぶつけちゃったりさ、
「なに怒ってんの、」
マイリンさんは悪くないんだ
「怒ってねーよ、」
ただ、オレが
「エド、大好きだよ」
ただオレが、マイリンさんの気持ちに気付けないほど、まだ子供だったってだけ。
「えど、私の気持ち全然気付かなかったでしょ」
「………、」
ちょっと拗ね気味の、初めて見た女の子のマイリンさんに言葉を詰まらせた。
「図星だ。……結構アピールしてたつもりなんだけどなあ、」
「左様ですか、」
いや、どこら辺でアピールしてたんですか。全く心当たりがありませんよ、マイリンさん。
「なに、その、全然知りませんみたいな」
「いや、全く見当が…」
「絶対そうだと思ったよ。私がキスしようとしても気付いてないのか、わざとなのか知らないけどスルーするし、」
「…え、!?」
「うわーあ、ショックー。」
「オレのがショックだよっ!!」
マイリンさんからの熱いキスがああぁ、
「ちゃんと気付いてよ、」
「じゃあさ、もっかいキス…」
「絶対、やだ!」
「いいじゃんっ、マイリンさーん」
「やだ、」
「お願いっ!」
「………、」
「お願いします!」
「じゃあ、エドからしてくれたら私からもしてあげる。」
こんな可愛いマイリンさんに今まで気付かなかったなんて、
大人なマイリンさんに恋をして自分の幼さに気付いて、必死に大人になろうと努力した。でも大人も子供も関係ないんだ。お互いの気持ちが繋がっていれば、
こんなに温かい唇に触れることが出来るから。
─ fin ─