まだまだ遠い春をすぐ近くに感じた、
「ナツ、起きて…」
「………」
「ナツ……」
「………」
まだ真冬で、部屋を温めていなかったことを後悔させた。
すやすや眠る彼の腕の中に私がいて、被っている布団さえも冷たく感じてしまう部屋の温度は−1℃
外にはたくさんの雪。
「ナツー、私凍死しちゃうよ」
この腕は何度私を守ってくれただろう、
「……クシュンッ!」
でも、今は私を凍死させようとしている。
「ナツってば!起きてよーっ」
仕返しにぎゅーっと抱きついてやれば、貴方の身体は温かくて放れられなくなってしまった。
「ナツ、あったかい…」
桜色の髪、
「大好き、」
愛しい半開きの唇に、そっと己のそれを重ねて
「……、おやすみ」
桜色の髪から、ちょっとだけ春の匂いがした
sleeping time
(うお!…マイリンっ!!)
(…ナツ、おはよう)
(オ、オレは誘われてんのか!?)‐Fin‐