夏休み!
海、祭り、プール、花火!
水着、浴衣!
「ねえ、ここなー」
「なによー、暑いからべたべたくっつかないでよ!」
「夏の暑さより、僕からここなへの愛の方が熱いよー。」
「あー、もう!」
「怒った顔も可愛いー」
そう、可愛い可愛い僕の彼女はこーやって僕が近くにいないと下心丸出しの男どもが近付いて来るから。僕は暑い夏でもべたべたここなに纏わりつく。
気温38℃ 湿度90%
じめじめして苛々する。
「…ロキ!」
「へ?」
「"へ?"じゃないの!早く帰ろうよ」
「えー、」
椅子に腰掛け、ここなを股の間に座らせて腰に手を回していたが、その手を名前の胸に移動させる
「ひゃッ!!…ちょっと、ロキ!」
「いつもながら、いい声。」
「ばか、変態!もー、知らない」
僕の腕から擦り抜けて早足で教室から去っていく小さな身体に、つい笑顔を零して小走りで後を追い掛ける
「ここな、待ってよー」
「ロキなんて知らない!」
「ごめん!ここな、ごめんね」
「夏休み、遊んであげないから!」
明日から楽しい楽しい夏休み!ここなとあんなことやこんなことを…、出来なくなるなんて、死んでも死にきれない!
「ここなー、何でもするから、許して!」
「……何でも?」
「うん、何でもするよ!」
ここなの口角が上がったのがはっきりと見えた。
まずい、引っ掛かった…
「あのー…、ここなさん?」
「なあに?」
あー、何か企んでる顔だ…
僕も何で引っ掛かったんだ。名前はあんな事じゃ怒らない(軽く叩かれる程度だろう)
「何がいいかなー」
名前、顔が妖しすぎる…
「決めた!……2週間、えっち禁止!!」
「…待って待って待って!!、僕はどうすればいいの!」
「だから、えっちなことしなければいいの!」
「死んじゃうよ!」
「死ぬわけないでしょ」
「無理だよ」
「何でもするって言ったじゃん」
「……わかった。射れなければいいんだよね!」
「違うよ!触るのもダメ!!」
「名前の人殺しー!」
「誰が人殺しだ!」
「名前がこんなにSだったたなんて……」
「人聞きの悪いこと言わないでよ!ロキのがえっちのときドSのくせに!」
「好きなくせに!」
「好きじゃないよ!!」
「あれ、顔赤いよ、思い出しちゃった?"はやく"とか"もっと"って縋ったのは誰だったかなー」
「そ、そんなこと言ってない!」
「真っ赤な顔も可愛いー」
「もー、3週間に増やすよ!」
「ごめんなさい、ごめんなさい!」
「知らないよーだ!」
「せめて、1週間」
「だめ!」
「ここな様!お願いします。」
「だめったら、だめ!」
「あ、でもここなの3週間後がキツいんじゃない?」
「なんで?」
「久しぶりだと、激しいよ。立てなくなっちゃうよー」
「もー、一生えっち禁止!」
「ここなもしたいくせに」
風が吹くと、熱い熱い夏の薫りがした。
fin