「名前、何してんの?」
大好きな甘いお菓子を頬張っていたところに声をかけられたから、もぐもぐと口を動かしながら振り向いた私にグレイは顔を歪ませた。
「お菓子食べてるのっ!グレイも食べる?」
中のものを飲み込んでから口を開いた私にグレイは呆れ顔だ。
「んなの、見れば分かる。そんなに食ってどーすんだよ。少しは我慢出来ねーのかよ」
「いいのっ!美味しいんだもん」
「甘いものは控えた方がいいぞー。お前のためにな」
「ど、どーいう意味!?」
「そのままの意味だけど」
意地悪な笑みを浮かべて言うグレイの言葉は、ごもっともだ。最近この調子で食べ続けて体重も増えてきた。
いや、でも我慢できないんですよグレイくん。
そりゃあ、露出魔で自分勝手で変態で偉そうで意地悪なグレイくんには理解しがたいかもしれないけど、私は太っても甘いものを食べれるなら、我慢して痩せてるよより、よっぽど幸せなんですぅ!!
「何か言ったか?」
「‥へ?」
「自分勝手で偉そう、だぁ?」
「え、え、もしかして‥全部、声に‥」
こ、怖いっ!笑ってる顔が怖いよこの人!!
「まあ、自分勝手で偉そう以外は認めるけどな」
認めちゃうんだ‥。
「とにかく、少しは我慢しろよ」
「余計なお世話ですぅー。それにグレイには関係ないでしょ」
「関係あるだろ」
「‥え?」
「関係ないわけねーだろ。お前がどんなになっても、もらってやらなきゃなんねーんだから」
「え、え‥どういう意味?」
「自分で考えるんだな。その脳みそ、たまには使ってやらねぇと腐っちまうぜ?」
なんて、偉そうなのっ!!
なんだかんだ、甘いです。