軍の上層部はみんな真っ黒だ。
「…………あー、名?」
「えーっと……、どちら様ですか?」
「電話だからって調子乗んなよ、馬鹿名」
「ははは、バレたか!久しぶりだね、エド」
「おぅ、風邪とか引いてねーか?」
「それ、私のセリフです。そっくりそのままお返しします」
「それもそうか、」
「で、わざわざ電話してくるなんて何があったの?」
オレたちが失敗したときのために
「いや、寂しがってるかなーって…」
「ふーん…」
お前たみだけでも逃げてくれ
「…………」
「寂しかったのはエドじゃないの?」
「……、そうかもな」
「何があったのか知らないけど、私はずっと待ってるから」
「…うん」
「なるべく危ないことしてほしくないけど、無茶してほしくないけど…、生きててくれればいいから」
「うん、」
「余計なことに首突っ込んで遠回りしても、絶対にアルを元に戻してあげてね」
「……ッ、あぁ」
鼻を啜る
いつも代わりに泣いてくれる君の代わりに
「私、頑張ってるから…」
頑張れって、言わない君の代わりに
「うん、お疲れ様」
今日は、
遠くの君を心に想って
オレが泣くんだ。
(悲しいからじゃない。嬉しいからじゃない。これから君が泣かないために、遠回りをするオレたちの背中を自分で押すために。前に進むために)