リアルに心臓つぶされるかと思った。チャイナ娘のかわいさに。
普段じゃ考えられないようなふわふわの小花柄のミニスカートから白い足がすらっと伸びて、ニーハイ履いてる。ああ誘ってよかった、沖田総悟(18)、我が人生にいっぺんの悔いなし!いやあるけど。でもまさかこんなに簡単にデート(と思っておく)の誘いにOKもらえるなんて思ってなかったから正直びびった。あー、ありがとう神様、ありがとう流星群様!でもなんでちょっと曇ってんだよお天道様しっかり仕事しろコノヤロー。


「沖田ぁ、なんか曇ってるアル……」

「そうだねィ」


うぐあああ!なにこれなんなのこの可愛い生き物!髪の毛下ろしてるし眼鏡とってるし可愛さ倍増なんですけど!がんばれ俺の理性、マジがんばれ!崩壊したらその時点で築き上げたこの関係(けんかともだち)も崩壊しちまうぞ!いや違う意味ではちょっと崩壊してほしいけど!


「曇っても、チャイナが空にお願いすれば晴れるんじゃねえ?」

「マジでか!じゃあお願いするネ!」


きゅ、と手をあわせて念仏をとなえだしたチャイナ。なんまいだー、とかなんとか聞こえてくるけど、いや、何か違くね?


「お経となえてどうするんでィ、ばか」

「違うアルか?」

「ちげーよ、普通にお願いできねーのか。やっぱマウンテンゴリラの脳みそはダメだねィ」


そこまで言って、ちょっと後悔。また嫌味っぽいこと言っちまった。ちらっとチャイナを見てみると、やっぱりむすーっと膨れっ面でしゃがみ込んでいる。それを見て思わず、


「ぶさいく。」


なんでだアア!なんでそんな台詞言っちまうんだ俺のバカアア!

「あんだとコルァァ!」とか言ってチャイナはめっちゃ怒ってる。そりゃそーだ。でもなんとなくこうやって怒らせるのも好きだったりする。だっていちいち可愛いんだからしょーがねえ。


「まあ、そんな怒んなって」

「怒らせるよーなこと言うのが悪いネ!」

「うるせーな。可愛いんだっつーの」

「……へ?」

(え?いま何つった、俺……)


ぱ、とチャイナを見ると、そいつはほんのりピンク色に頬を染めて、俺を見上げていた。つられて自分の頬にも熱が集まる。やっべ、可愛いとか言っちまった。いや、本心なんだけど、何て言うか今このタイミングで言うかァァ!?


「か、か、かわいい、アルか?」

「う、うるせーバカチャイナ!さっさと行くぜィ!」


バカの手をぐいっと引いて、俺は速足に歩き出した。なにげに手繋いじゃったやっべどーしよマジで。


「お、おきた」

「何でィ」

「……そ、その、お前も、か、かっこいいヨ……」

「……。」


ちょっと待てエエエそれは反則なんじゃねえのチャイナさん!?

ぱくぱくと金魚みたいに口をあけたりしめたり。そんな俺を見てばーかと笑うその顔すら可愛くてしょーがねえから、むぎゅっと柔らかいほっぺをつねってやった。


「ふぎゃっ!?」

「ぶすチャイナ」

「う、うるひゃいネ!さど!はなへーっ!」


ほっぺを引っ張られたまま喋るチャイナが何言ってんだかよくわかんねえけど、なんかおもしろかったから俺まで笑えてきて、ふたりで爆笑した。


「はやく、流れ星みにいこ!」


ぐいっと手を引かれ、どっきんと跳ね上がった心臓の音をごまかすため、なぜかそのピンク頭をぶん殴っちまってまた喧嘩になったのは別のはなし。



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不器用恋愛ルーキー

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次で終わります




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