カカシ視点






「ナルトが帰ってくるらしいよ」



爆乳…否、五代目のその一言で、どれだけこの胸が高鳴り、破裂しそうになったことか。






早く、早く会いたかった。




会ってちゃんと、伝えたかった。





まだお前に言っていない、俺の想いを。








好きで好きで、たまらないんだ。



お前の偽りの笑顔でさえが、俺の酸素だってことを。

お前の冷たい口づけでさえが、俺の糧だってことを。










いつか、本当のお前に辿り着きたいんだ、ナルト。



















「てめぇはどこのポエマーだ?とうとう頭沸いたか、気の毒に」

上忍待機所での、いつものつまらないメンツ。

あんまりつまらないから、ナルトへの真剣な想いを二人に語り聞かせていたら、話の腰をばきっと折られた。

熊の分際で人の真剣な言の葉をせせら笑うなんてさ、良い根性だよね、全く。

「アスマ。お前、そんなんじゃいつか紅に捨てられるよ?」

「ちょっとカカシ!あたし達はもうなんでもないのよ!」

付き合ってないとか言う割には、ちゃっかり体の関係続けてんの知ってるんだけど…

その証拠にホラ、怒って否定する紅の顔色を、アスマがちらりと伺ってる。

「まあ、とにかくだ、お前がまともな恋愛する気になったことはめでたいな」

お前らこそまともな恋愛しろよと言いたい。

確か二年くらい前に、この二人は破局になったらしいって、昔の女が言ってたな。

原因は、酔ったアスマがどこぞの女と浮気したとかなんとか…

そうぼんやり考えていると、交代要員がやってきて、俺たちは待機所を後にした。







「久しぶりに一杯ひっかけてくか?」

「あたしはパス」

アスマの誘いを素っ気なく蹴って、紅は消えた。




「アスマ、なんか気に障ることしたわけ?」

面白がって尋ねると、髭面の大男は視線を逸らして、苦虫を噛み潰したような表情をしてた。

「てめぇが余計な名前出すからだよ…ったく、最近やっと機嫌治ってきたってのに…」





―――…こういうとき、無駄に回る自分の脳みそを、恨めしく思う。




「お前の浮気相手って…ナルトだったんだ」



アスマはまだ火を点けたばっかの煙草を、ぽいっと捨てた。


「…俺の場合は、酒の勢いに過ぎねぇよ。マジなのはうちの参謀様の方だ」


シカマル、ね。

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