01

――或る日、目が覚めると其処は見知らぬベッドでした。








hard rock halleluiah!












何で其処に居るのか分からなかった。
物心着いた時にはすでに野良の黒猫で、一年中雪が積もっている街では嫌でも俺は目立つ。
道を歩いていると不吉だと言われ続けた。酷い時は石を投げられる。

そんな野良猫の俺が雪の日、民家の軒下で雨宿りならぬ雪宿りをしていたら家人に見つかってしまった。
慌てて逃げて別の家の軒下へ。野良猫なんて所詮こんな生活。

今度の家は留守みたいだった。
暫くは邪魔も入る事もないだろうと上がった息を抑え込む。
ふと視界が暗くなったのと同時に身体に激痛が走った。慌てて見ると、雪に押されて折れた細い氷柱が左足に刺さっている。
ジクジク痛み出した傷に耐えながら上を見たら目の前には大量の雪が落ちてきた。
容赦なくバサバサと音を立てて、雪が動けない俺を飲み込んでいく。



氷柱が刺さってる所為で熱が出てきた俺の体を、姿が見えなくなるまで覆ってしまった雪が冷やしていく。
俺の体温を奪って溶けていく雪と、傷から流れる血と一緒に自分の命も流れ出て行くのを感じる。


もう此処で終わりなんだな、と薄れる意識で実感した。









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