02
「・・・あー・・・」
俺は今ユースタス屋んトコに居る。その本人は机に向かって航海日誌と格闘中だ。
「・・・うー・・・ん・・・」
「・・・・・・」
待ってる間に奴の数少ない本を拝借して読んでいる。
読んでいるんだが・・・。
「ん゛〜・・・」
「うるっせぇよ!さっさと終わらせろテメェ!!」
全く書いていない。一文字も進んでいない状態で数時間経っている。阿呆か。
先にも行ったが、ユースタス屋の部屋に本は少ない。3、4時間あれば読み潰せる量しかないから、手持無沙汰になったので南の地図を眺めていたらこれだ。
1時間程前から唸りだし、今はもう机に伏せている。
呆れて物が言えない。
「テメェ、それでも船長か・・・?」
「頭使うのは嫌いなんだよ・・・」
「毎日書いてりゃ、苦労しねぇんだよ!」
そう。コイツは航海日誌を溜めていたのである。1週間くらい。そして忘れてコレだ。
ユースタス屋は俺が此処に来た時、正座でキラー屋に説教されていた。
キラー屋の余りのキレっぷりに驚いて、ふと目にとまった航海日誌をチラ見して更に驚いた。
ガ キ の 日 記 か !
今日はアレをしたとか、俺の船に行ったとかばかりで肝心の航海部分が抜けていたのである。
ドレッド屋に引きずられて行ったユースタス屋を眺めながら「大丈夫か、この船」と聞いたら
『キッドがアレだから俺が別に書いている。問題無い』
だそうだ。できたクルーは違う。しかし、
『新世界に入ったらもう少ししっかりしてもらわないと困る』
らしい。ごもっともだ。
航海日誌の書き方も知らない船長が居てたまるか。
「字が汚ぇ。読めねぇ。ここ間違ってる。阿呆かテメェ・・・!」
「うるっせぇ!頭使うのは苦手って言ってんだろ!テメェはオカンか?!!」
「文句ならそれなりの航海日誌を書いてから言いやがれ、バカスタス屋」
「・・・クソ野郎・・・!」
俺は外科医だ。教師になった覚えは無い。
何が悲しくて恋人が航海日誌書いてるのを監督しなきゃいけない。
ど う し て こ う な っ た 。
あれから更に数時間かかって書き上げ、キラー屋に渡しに行った。
なんとか及第は貰え、フラフラしながら戻ってくるとベットに倒れこむユースタス屋。
何だかんだ言いつつ、俺は結局書き方を教えていた。
流石に懲りたみたいで「毎日書く・・・」とボソボソ呟いている。
そんなユースタス屋に苦笑しながら近づき、頭を撫でてやると抱きついてきた。
「・・・お疲れ、ユースタス屋」
「ん」
そのうち規則的な寝息が聞こえてきた。
マジでガキだと思いつつも、しがみついて眠るユースタス屋の頭を抱いて軽く撫でてやる。
手の掛る恋人は可愛い。多分、惚れた弱み。
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あとがき(という名の謝罪)
何だかんだで2日掛って完成です・・・!
当初の話とは180度変わってしまいました。あるぇー?(・ω・`)
キッドさんがアホの子っぽくなってしまいました・・・何故?!
男前キッドさん書きたいよ!・゜・(ノД`)・゜・。
そしてうちのローさんは乙女化していく・・・orz
カッコいいローさんは何処!!!!
読んで下さってありがとうございます!
2011.10.20
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