01
・・・やっとだ。やっと島に着いたら奴が居て。
珍しく船に誘うもんだからいそいそとやってきたのに・・・!
―カリカリカリカリ
「・・・・・・」
「・・・・・・」
―カリカリカリカリ
「トラファルガー」
「・・・・・・」
さっきからずっとこんな調子でシカトされている。夜に誘われたからといってこの扱いはねぇだろう。
白クマが置いて行った酒はそろそろ無くなりそうだ。
―カリカリカリカリ
「トラファ「・・・うるせぇ黙ってろ」
「・・・・・・」
航海日誌が大事なものだとはわかっちゃいるが、シカトはいただけない。
というか、誘うなら終わらせとけ!!
酒を飲み切って手持無沙汰になった俺はトラファルガーの本棚を無断で漁り、北の海の地図を見つけて眺めていた。
どれくらいそうしていたのかわからねぇが、ふと手元が暗くなって顔を上げる。
「へぇ、北の地図?」
漸く日誌を書き終えたトラファルガーが膝の上に乗り上げてきた。
「・・・遅ぇ」
「何だユースタス屋、拗ねてたのか」
「拗ねてねぇよ!」
地図を奪ってテーブルに置いたトラファルガーは、俺を座っていたソファーに押し倒した。
「へぇ・・・珍しいな。ソファーでヤんのか?」
「たまにはいいだろ?」
「んじゃ遠慮なく」
色々誘ったのはトラファルガーの癖に、早朝に殴られて目が覚めた。
理不尽だと思うが何も言えないのは惚れた弱みかもしれない。
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