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【10月2日】

「キャプテン!朝だよ、起きて!」


久々にベッドで寝た。
自分の体温で暖まった羽根布団がぬくい。
ゆらゆらと夢と現の狭間でベポの声が聞こえるが、万年睡眠不足な為に睡魔には抗えない。
業を煮やしたベポが布団を剥ぎ取って腹を叩いてきた。

「キャプテン!!荷物届いてるから起きて?!俺らじゃわかんないよ!」
「・・・後で見るから…部屋に持ってこい・・・」

朝って何時だ。そもそも何で朝に荷物が届く・・・。
如何せん眠いので頭が働かない。ベポから布団を奪い返してまた夢の中へ戻る・・・はずだったのに。
良く知る気配が怒気を含んで近づいてきた。これは起きないと後が煩いだろう。長々と説教は俺でも嫌だ。

「船長・・・だからいつも規則正しい生活をしろと言ってるでしょうが!」

遅かった。ばっちり目は覚めたが寝起きに説教は頂けない。
腰に手を当てて母親よろしく怒鳴っているペンギンの後ろでベポが小さくなっている。
そいえばベポが荷物が云々と言っていたと思い出し、ペンギンを軽くあしらいながら食堂へ向かう。
その間もペンギンの小言は延々と続き、あまりにもうっとおしかったので「お前はオカンか」と言ったら憤慨され、更に小言を貰う羽目になった。

ようやく食べたくもない朝食を(半ば無理矢理の形で)食べ、シャチが持ってきたコーヒーを飲みながら新聞を・・・というところで目の前に大量の本が。
買った記憶など勿論無く、一冊一冊がそこそこの厚みがある。それが俺の周りに無造作に積まれていくので堪ったもんじゃねぇ。

「何だこれ・・・買った記憶ねぇぞ」
「船長宛の荷物です。はい受領証、サインしときました」
「どっからだ・・・・・・・・・送り返せ!!!」

受領証と一緒にピンクの電報が渡され、開いてみたら自称父親・ドフラミンゴからだった。

【Happy birthday LAW!!】
親愛なる息子へ、最新医学書をプレゼントしてやろう
勤勉なのは良いが、規則正しい生活は守れよ?
      ドフラミンゴ


何が規則正しい生活だ、テメェ自体が夜行性だろ!!!!(見た目的に遊んでる気がする)
手紙を床に叩きつけたらペンギンとシャチが苦笑していた・・・ふざけるな。

「でもほら船長、最新医学書だけあって発行年月日新しいし…本棚入れ替えたらどっすか?」
「これだけの最新医学書買う金も凄いかかるし、運んでもらったし、得したと思えば良いんじゃないですか?」
「これ昨日キャプテンが読んでた本じゃない?なんかあれより分厚いよー?」

おれ眠くなっちゃう〜とペラペラ捲るベポを眺めつつ、少し冷めたコーヒーに口をつける。
確かに高いし重い医学書が本棚入れ替えもできるほど目の前に積まれている。
全部最新で、だ。正直少し揺らぐ。つか船が沈む・・・すでに傾いている気がする。
規則正しい生活をしろと言う割には安眠妨害なプレゼントだ。
そこで気づく。



「あぁ…俺、そろそろ誕生日か・・・」







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