「安心する」

二人、ベッドの上に寝転んで交わされる何でもない些細な会話に、ふと口をついたのはそんな言葉だった。

「え?」

「ああ、いきなりごめん。ラクスがちゃんと僕の側にいるなぁと思ってさ」

「あら、そうですか?」

「うん。君は気付くとすぐ飛んでいっちゃうから。僕の腕の中だけには居てくれないから」

少し参るよね。
苦笑して言えば、ラクスは少し拗ねたように眉を寄せる。

「…それは否定しませんが。キラもですのに」

「そう?」

「そうです。自覚がないなら、自覚なさって下さい」

「んーでも。それはラクスだから仕方ないよね」

「はい?」

「僕が好きなのはラクスだから。ラクスを追いかけるには僕もそのくらいじゃないとね?」

「まぁ…なら、捕まえて頂きませんと」

「もちろん。覚悟しといてね」

「お待ちしておりますわ」

くすくすくす。
どちらともなく笑いだして、互いを見つめ合い額を寄せた。





君を捕まえるのは僕だけでいい







08/09/06



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