朧気に翳した手は、宙を掴みきれずに虚しくさまよう。
同じように彼女を掴むことはできず、後ろ姿は霧の中の幻影のようで。
何度も指の隙間を紅い髪がすり抜けていったし。
体温も吐息も感じれる程側に触れていたけれど。
いつも、心と心は反対側にしかなかったんだ。
最初から最期まで、僕は。
君を掴めやしなかった。
そして伸ばされた手は繋がらないまま。
(やがて飛散する身体に、目を覆うものになる)
07/11/04
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