「当分帰ってくんな」 とは言ったものの、まぁ弾みだ。冗談だ。それは向こうだって分かっているに違いないから問題はない。 ひょっこり部室に顔を出した時にはちゃんと迎えてやるつもりでいる。ヘッドロックを一発、それで十分事足りる。 むしろここ何日かの出来事について、内向的な友人が良くやったと頭をがしがし撫で回しながら誉めてやりたいくらいで。絶対に言ってなんかやらないけど。 それにしてもだ。 何がどう巡り回ってそんなことになったかは知らないが、そもそも脈が全くないってわけでもなかったが、事件云々だけではない何かがあるはずだ。 一体何があって、どうしてお前の告白が受け入れられたのか。 その辺をじっくり、聞かせて貰おうじゃないの健二くん。 なにせ相手は競争率の高い学校一の人気者なのだから。 勝ち抜いたのは自他共に認める草食系男子だなんて、きっと誰も予想していなかったに違いない。 でもたぶん、一番予想していなかったのはアイツ本人だろう。 どうして、なんて頭を抱えていそうだ。 確かに頼りなくはあるし、取り柄と言ったら数学バカなとこだけだし、お世辞にも男前とは言えないけど。 良く言えば真面目で真っ直ぐ。 優しい、いいやつなのだ。 誠実さが良かったんじゃないかというのは、俺の見解である。 事実の答え合わせはアイツが帰って来てからすればいい。 しっかしなぁ、健二に先を越されるとは。相手は夏希先輩だし。 友人として、いや男として何か少し悔しい気がする。 よし。ヘッドロックをもう一発。 そして傍観させて貰おう。 あ、でも。巻き込まれそう、じゃなくて確実に巻き込まれるな。傍観者なんて言っていられないくらいに。 それはそれで良いかもしれないけれど。彼らのこれからを見ていくには絶好のポジションだ。 まぁ、とりあえず今は、 傍観者を希望します。 彼らの、隣で。 (09/08/28) 佐久間好きだー。 帰ってくんなの台詞はうろ覚えです><口調違ってたら後で直します→台詞直しました(0905) ※ブラウザバックでお戻り下さい |