「今日も、晴天ね」 目の眩むような太陽に、彼女はそっと手を翳した。 眩しさに目蓋を閉じてしまいたくなるけれど、白い手が散らついてそれを阻む。 白くて細くて柔らかい指先。 折れてしまいそうだと思ったこともある。 けれど、その手で三叉槍持つのだから、案外しっかりしているのだ。 それにしたって細いとは思うけれど。指だけではなくて、腕もその身体もいくら少女といえども細過ぎるような気がする。 「恭弥、どうかした?」 そんなことを思っていると、いつまにか、彼女の手のひらは自分の目の前で。 意識を確かめる時のように揺れていた。 なんでもないと首を横に振ると、変な恭弥ね、と彼女は小さく笑う。 笑う彼女の右の中指には少し大きそうな一つの指環。 彼女が大切にしていることを知っている。 くれた人物に忠誠を誓っていることも知っている。 けれど、彼女の綺麗な指を飾るのが、自分の贈ったものじゃないことが少し悔しいから。 「ねぇ、クローム」 「なに?」 名を呼んで彼女の左手を取ると、その指を示して。 「そこは空けておいて」 「え?」 「いつか、この指にダイヤモンドを嵌めてあげるから」 いつかの未来の約束をする。 誓うのは忠誠ではなくて、君との永遠 07/11/25 Title by 群青デイズ(closed) ※ブラウザバックでお戻り下さい |