鼓動は高鳴り、感情が駆け上がっていくのをシェリルは感じていた。

銀河を駆けるツアーの初日である今日。
重ねたリハーサルの結果が、成功を示唆してはいるけれど。
油断なんて言葉は存在していなかった。
いつでも全身全霊でなければ意味がないのだから。


高揚。

場を満たす空気のそのどれもが心地好くて、客席から聴こえてくる声もバックステージのざわめきも、沸き上がってくる緊張感でさえすべてが心地好くて。
口元には仄かに笑みが浮かぶ。
ああ。楽しい、嬉しい、愛しい、大好き、大好きよ。
さぁ、色とりどりのスポットライトが四方から私を照らす、輝くステージへ。


「今日も宜しく頼むわね」

顔馴染みの信頼するスタッフに声をかけた。
上がる士気がまた心地好かった。
彼らの頼もしげな返事と、観客の膨らんだ期待に応えるには、この宇宙で最高のショーを。

私は此処よ。
此処にいるわ。
だから。




気高く美しく、
そして雄々しく






「私の歌を聴けぇっ!」









(10/01/30)

映画を観た勢いでざっと書いたSSを少し修正して上げてみます。
全く映画ネタなんてありませんけど。
シェリルが好き過ぎる(_´Д`)



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