射し込む朝日の眩しさに目が覚めて瞼を上げれば、視界を埋めていたのは柔らかい金色だった。
水色が掛かっていて、不思議な色だなぁといつも思う。

花のような甘い匂いが鼻を掠め擽ったい。
かかっている髪の毛を優しく払えば、穏やかに眠る彼女の顔が窺えた。
こんなに気持ち良さそうに眠っているのに、起こしてしまうのは可哀想な気もする。
でも、自分を映すその瞳が早く見たくてジレンマ。そのジレンマすらも愛おしいのだけれど。
たぶん、起こした所で彼女は怒りはしないだろう。予想ではなくて確信として分かる。
予想の斜め左くらいを行くのが彼女でもあるし。
それに自分は甘えているんだろうな、と思わなくもない。
温かくて、幸せで、沸き上がってくる愛しさに、抱き締めたくなった。

早く起きないかなぁ。
起こすのは悪いんだよなぁ。
でもさっきから携帯光ってるし。絶対ロシウだ。
昨日、今日は9時から会議だと口を酸っぱくして言われたのだ。さすがに分かってる。
分かっているけど、久しぶりに仮眠室ではないベッドでゆっくり眠れたのだ。
もう少し寝させてくれてもと思ったって仕方ないと思う。
だよなぁと時計を見れば、アラームは当に鳴り終えて役目を果たした、とばかりに鎮座していた。
………やっぱりダメか。
あー、ごめん!ニア。タイムリミットだ!
起こしたらごめん。

そんなことを思いながらぎゅっとシーツごと彼女を抱き込んだ。


着信を知らせるランプの光にはあと少しだけ目を瞑って。
あとちょっと、ちょっとだから。
シフォンピンクに彩られた、甘やかな誘惑に負けました。










(おはよ、ロシウ)
(…っ、おはようございます総司令。起きていらしたのですか……ならもう少し早く電話に出て頂きたかったですが。本日は9時から臨時の会議が入っていますのでその前に、)
(分かってる。あとちょっとで着くからさ、着いたら聞くよ)
(…分かりました。出来るだけ早く、お願いします。早くですよ。では)









(09/10/21)

初のグレラガ文がこれってどうなんだろう。ニア喋ってないし。
朝から胃が痛くなるようなことさせてごめんロシウ(笑)



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