今日はなんだか平和な日だな、と僕は思った。部屋でのんびりするのは久しぶり。最近、Nと外で遊んでばかりだったんだな。以前の僕は、どちらかというとインドア派だったんだけれど。そういえば、今日はNが外で遊んでないようだけれど、家の中にいるのかな… というところまで考えたところで、Nが僕の部屋に入ってきた。

「トウヤー、入ってもいいかな…?」

ドアの隙間から顔を覗かせて言うN。もうドア開けちゃってるじゃん。普通、ノックして聞くだろ、それ。まぁ、Nだからいいや。

「ん、いいよ。なんかあったの?N」

「えっ!?あーいや、その…」

そう言って、Nは僕から目を逸した。頬も赤い。これは、なんかあったってことだな。

「どうしたの、N」

そう聞いても、Nは僕と目を合わせてくれない。目を泳がせ、僕を見ないようにしていたが、しばらくしたら僕に目を合わせ、話し始めた。

「最近、ボクおかしいんだ…」

Nはそう言って、胸の辺りをきゅっと握り締めた。

「チェレンとかベルとかは平気なんだ。だけど、ボクトウヤといるとなんか心臓がばくばくしてきゅうってなっちゃって苦しくて… ボク、病気かな… こんなこと、今までなかったんだけどね…」

そこまで言うと、はぁ、とNは溜め息をついた。

「どうしよ… 病院行った方がいいのかな?トウヤ、どうしよ…」

Nは俯いた。けれど、今度は耳まで真っ赤だ。そして、言っていたことの内容。これって、僕のこと好きって言ってるようなもんだよね?
なにこの可愛い生き物。食べちゃいたい。いや、もういっそ食べてしまおうか。

「N、苦しい?」

「うん、苦しい…」

「そっか… じゃあ僕が治してやるから、こっちおいで」

そう言って僕は、Nに向かって手を伸ばした。







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