2015/01/29 ※鬼灯様が女性だったら 百合注意。 私の直属の上司、鬼灯様は、大変お美しい方です。 背筋をすっと伸ばしてお仕事に励んでおられるお姿、亡者相手に勇ましく金棒を振るう様、そしてあの日暗い部屋の中で私の頬に触れた指の優しかったこと……あ!な、なんでもありません、忘れて下さい! とにかく鬼灯様は麗しく気高く完璧で、とても私のようなヒラ獄卒がおいそれと近づいて良い存在ではーーー 「既に一回、最短距離まで近づいたと思いますけどね」 耳小骨までとろけてしまいそうなアルトボイスで唐突に囁かれ、腰が砕けそうになりました。 お優しい上司様が支えて下さいましたが、逆効果です。 お胸が、豊かなお胸様が、私の肩甲骨付近に当たってございます。 わざとですか?狙っておられるのですか?なんにせよご褒美に違いはございませんが。 「ほ、おずき、さまっ?」 「仕事中にぼんやりするとはいい度胸ですね。お仕置きして欲しいのですか?……あの時みたいに」 「…!」 瞬間蘇る、先月の出来事。 忘年会の二次会で雰囲気に流され飲めないお酒をかっ喰らい、見かねた鬼灯様が私を抱えてご自分のお部屋に運んで介抱して下さいました。 上司に対して無礼なことも散々言ったと思うのですが、鬼灯様は怒りもせずただ私の髪を撫で、優しく口付けをーーー あ、いえ、ゲフンゲフン、ほ、本当に思い出しただけで顔から火が出るようです。 しかしあの夜の『お仕置き』をもう一回して頂けるの…!?と思うと、体の深部の方が、なにかこう、ぐらりと熱くなる感じがするのです。 「…ご希望なら、終業後に私の部屋へおいでなさい」 待っててあげなくもないですよ。 最後に耳朶を軽く食まれ、変な声が出てしまいました。 私の上司様は、素晴らしい方です。 でも少し、いじわるです。 女鬼灯様にめろめろな部下。 |