2015/01/09

年を取るのって嫌なもんだね。

いや、決して全部が悪いわけじゃないけど。




「私、貴方が好きです」




元々表情の変化に乏しい子だったけど、その時は簡単に見分けることができた。

逃げることを許さない目が僕を射抜くように見つめていて、瞬きを忘れてしまったくらい。




「…気持ちはすごく嬉しいんだけどね、」




果たして僕は、いつものように笑えていただろうか。




「ひとりだけを優遇するつもりはないんだよ」




僕は神様。

生まれついた性分としてこの世界のほぼ全てが愛しく思えるし、特に女の子は特別にかわいい。

でも神様は平等さを求められる存在だから、誰かひとりだけ特別扱いすることはできない。

女の子は大好き。遊ぶ時はみんな平等に、遊ばなくちゃ。

そんなこと言ってるから駄獣なんて言われるのかもしれないけど。

つまりきみだけを特別に可愛がることはできないんだよ。

そう言ったら、きみは頷いた。




「それでいいんです。遊びで…いいんです」




ねぇきみは、




「ただ、時々、貴方の傍にいることを許して欲しいのです」




どうしてそんなにきれいな目をしているんだろうね。





神様も辛いんだよっていう。





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