3 | ナノ
 



取り敢えず探そうと校舎内を歩き回る事にした。

うーん、広いこの学校内を歩き回ってて果たして無事出会えんのかなぁ。
部屋の前で張り込んだ方が…ダメダメ。不審者で通報されちゃうっ!
寮から出てまずは一番近い視聴室とか音楽室とかある特別教室の棟に来た。
おぉ、休みの学校って新鮮。
シーンってしてる。
しかも私服だしっ。
冒険っぽい!

ちょっとはしゃいで軽くスキップしながら歩いてたら前の方から見慣れた金髪が。
あれ?何でアイツ、制服なんだろ?
あ、こっちに気付いた。
驚いてる驚いてる。

「夏希ー、何で制服着てんの?」

「何でここにっ…バレンタインに受かれて、学校内でヤる奴達を、取り締まる為に…」

「まさか風紀の仕事?ご苦労様」

ちょっと褒めただけでちょー嬉しそうな顔してる。
でも風紀の取り締まりがあったらツインズはアーッ!な場面なんて見れないんじゃない?
可哀想に。
まぁ取り敢えず、コイツにもチョコあげなきゃ。

「夏希」

ちょっと低めの声で呼んだらぴしって立ってる。
面白い!
紙袋をごそごそ漁って中から取り出したのは1つのチョコ。
ほらあれ、箱とかに詰め放題のやつ。
手抜きなわけじゃないよっ!
だってコイツの喜ぶ渡し方をする為だから。


チョコにちゅってキスしてから親指でチョコを弾いて夏希の足元に飛ばした。
すると駄犬は直ぐに座り込んでチョコを大切そうに握ってプルプル震えて喜んでる。
ホントにドMだなぁ。

「お返し、楽しみにしてるから」

「あっ、ありがとうございますっ!」

ボソッと呟いて夏希に背中を向けて歩き始めたら後ろから体育会系顔負けの気合いが入った声が聞こえた。
やっぱこの渡し方、喜んでくれたかぁ。
真面目にあげようと思ったけどこっちにして正解だったなぁ。
よーし、次は教室棟へ行っちゃうぞーっ!








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