2 | ナノ
 



「あれー?皆部屋にいないなぁ」


意気込んで部屋から出たまでは良かったんだけどまさか全員空振りだなんて。
よく考えたら皆モテるもんね。
どっかに呼び出されて告白されちゃったりしてんのかも!
それじゃあ俺、邪魔になるかなぁ。


「「あっ、優ちゃんっ!」」

後ろから名前を呼ばれて振り向いたらまさに探している内の1人。いや、2人。
徠斗と魁斗が抱き着いてきた。
おぉっと、何とか受け止めたけどこけそうになったぜ!
2人の私服初めて見た。
まぁ、休日滅多に部屋から出ないしなぁ。

「優ちゃんの私服イイねっ」

「ホント!?」

「うんっ。平凡って感じ!」

お黙りツインズ!
そりゃ何かジャラジャラしててお洒落な君達に比べたらっ!
じゃなくて。

「はい。徠斗と魁斗に。ハッピーバレンターイン!」

綺麗に包装されてるトリュフの箱を2人に1つずつ渡した。
手作りじゃないのかって?
俺は疾風に料理禁止令を出されてるんだからっ。

「「優ちゃん、オレ達にくれるの?」」

相変わらずのナイスシンクロに笑いながら頷いて2人の頭を撫でた。

「うんっ。お世話になってるしね。これからも宜しくね」

ツインズがふにゃって笑うからつられて俺もふにゃってなっちゃう。
この子達はホントに可愛いなぁもうっ。

「はっ!魁斗っ行かなきゃっ!」

「そうだった!」

急に2人が声を上げたからビクッてしちゃったよ。
何か用があったのかな?
もしかして告白タイム?

「今から用事?」

「そうっ!今日という一大イベントで出来たカップルの校内セックスを覗きに!」

「やっと付き合える嬉しさでそのままアーッ!ってなっちゃうんだよっ。渡したチョコプレイとかしちゃうんだよっ!」

徠斗っ、目をキラキラさせながらそんな具体的に何だってー!?
学校内でそんなっ…!
やっぱ男女問わずチョコプレイは定番なんだね。
あ、2人とも目が輝いてる。
これ以上引き留めるのも悪いなぁ。

「じゃあ早く覗いておいで」

「「うんっ」」

最後に頭をくしゃくしゃしてから手を離す。
覗きを応援するのもアレだけど。


「「優ちゃんっ、お返し楽しみにしててねっ」」


急ぎながらも振り返ってくる2人に笑いながら手を振って見送った。
お返しかぁ。何貰えるんだろ。
ひとまずはツインズに渡せたし、残りも探して渡すぞーっ!








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