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今年のバレンタインは平日で準備出来ねぇって分かってたのにどうしても燈瑪の手作りチョコが食いたくて我儘を言った。
でも燈瑪は呆れたり嫌がったりせず俺の為に作ってくれた上に照れながらあーんもしてくれた…あー、可愛すぎだろ。やっぱ燈瑪が好きだ。
だから俺もホワイトデーには燈瑪が望むものを渡そうって決めたが、


「陵にも出来ない事ってあったんだね」

「………」

「やっ、でもほらっ、えーと…」

嘘吐くのが下手で素直だから言葉に詰まってる。そりゃそうだよな。

「去年まではどうしてたの?」

「ずっとルームサービス」

「あー、そういや俺が来るまでホテル室だっけ」

燈瑪が来るまでは一流ホテル並の一人部屋、ホテル室に居た。
そんな部屋を与えられるぐらい成績優秀で運動神経抜群、更には1年の頃から抱かれたいランキング上位。燈瑪には何でも出来る完璧な男だって思われたかったのに。

「した事ないなら失敗しても仕方ないって、ね?」

まさかこんな所で自分の株を落とす事になるなんて。







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