「ほれしっかり歩けェ。こンの酔っ払い」
「ん〜……へへ」

こいつがここまで酔うのは珍しいな、と思いながら金山は家路を歩く。
引退して、脳の治療を経て、最近一緒に住むようになった。
六代目の墓参り以来、久しぶりに武装の面々と再会したのが余程嬉しかったようだ。
「飲みすぎるかもしれねーから」と、出かける前に言われていた時間、言われた店へ到着した。
座席の方へ行くと見事に泥酔した姿があり、思わず顔を覆って天を仰いだ。

「キ、キングジョー…!!」

五代目の面々が動揺しながら懐かしいあだ名で呼ぶのを軽く無視して、酔いつぶれた彼の腰に腕を回して立たせた。
すると、力なく肩にもたれかかってきたのでそのまま彼の左腕を己の肩に回した。

「全くこいつは……ホンマに飲みすぎるたァどういうこっちゃ。おめーらもよーけ飲ませすぎじゃ。こいつに会えて嬉しかったんは分かるがの」
「うっ……」

飲ませすぎたことは事実のため言葉に詰まる彼らに、はぁ…とため息を吐く。

「今日は迎えが来るからいっぱい飲むって言ってたが……まさかお前が来るとはな」
「……わしが迎える前提か。このアホゥ」
「ふふ、よろしく頼むぜ」
「当たり前じゃ」

顔の中央に右眉から左頬にかけて斜めに大きく傷が走る男──柳は、他の面々とは違いあまり驚いていないように見えた。



そんなこんなで彼らと別れて、酔いつぶれた武田を抱えながらゆっくり歩いていた。
武田はずっと機嫌がいいようで、ニマニマしながら甘えた声で名前を呼んだ。
それに応えながら宥めるように頬へキスをすると、武田は嬉しそうに笑ってまた名前を呼ぶ。
ようやく家に入り、未だ甘えた声を出すその口を軽く塞いだ。
強く香るアルコールの匂いにこちらまで酔ってしまいそうだ。

「ホンマによーけ飲んだのォ。酒の匂いしかせんわ」
「、ぁ……じょぉ、もっと」
「……酔うた時のおめーはホンマに素直じゃの」
「ン……」

酔って力の入らない武田をしっかり支えながら、その薄い唇を堪能した。
くぐもった声で鳴きながら積極的に舌を絡ませる姿、正直言って興奮するのは確かだ。
武田の腕が首に回りさらに密着すると、少し反応しはじめた彼の固いモノが当たるのが分かった。
唇をゆっくり離すと、彼は惚けた赤い顔で物足りなさそうにこちらを見上げた。

「じょぉ……、もっ、と」
「続きは酔いを冷ましてからじゃ」
「……むぅ…」

あからさまに頬を膨らませる彼が可愛くて手を出しそうになるが我慢だ。
とりあえず水を飲ませて、ソファーに座らせてひと息つく。
隣に座ると左肩に頭を預けてきたので黙って頭を撫でた。
そのうち規則的な呼吸が聞こえてきて、少し体をずらすといともすんなり横になってしまった。

(かわええ顔しとる)

くぅくぅと寝息を立てる武田の頬を優しくなぞりながら、触れるだけのキスの雨を顔中に降らせた。
くすぐったそうな反応を見せる彼がとても愛おしい。
わざと唇を避けて続けていたら、武田が腕を伸ばして首に絡めてきた。

「じれったいことすんな」

そう言って引き寄せられ、そのまま唇を重ねた。
お互いの舌を絡ませ、唾液を絡ませて。
淫らな水音と息遣いだけが部屋の中に響く。
ようやく離れると、そのまま武田も起き上がりのしかかってきた。

「酔いは冷めたか?」
「んー……少しだけ」
「ほーか」

所謂対面座位の体勢で向かい合うことになり、今度は武田がキスの雨を降らせてきた。
その合間、服の中に手を滑らせて胸の飾りを摘むと、武田は「っあ、」と小さく声を上げた。
雨が止んだのをいいことに次はこちらからキスをした。
右手で腰を支えて左手は滑らかな肌を堪能する。
背中から脇腹にかけてなぞっていくと、身体を震わせて反応するのが分かった。
ズボンのベルトを片手で外したあと、唇を離して「腰浮かせぇ」と囁くと、武田は素直に言うことを聞いてスルスルと脱がされていった。
顕になった白い太ももをいやらしくなぞると、武田は「っ、このエロおやじ」と悪態をついた。

「触り方が、やらしいんだよ…っ」
「けど好きじゃろ」
「うっせぇ!」

否定はしないところがなんとも可愛い。
ボクサーブリーフの上からでもよく分かるくらい主張した武田のモノを片手で優しくなぞりながら、形のいい尻を空いた手で揉む。
「いつ触ってもええケツしとるのぉ」と感心していると「ほんと、エロおやじだな、お前」と荒い息と呆れが混ざった声色で返されてしまった。
尻の割れ目に指を忍ばせ、後孔に触れる。
久々の行為だからか、すっかり固くなった入口をなぞると武田の口から小さく声が漏れた。
少し緩んだそこに指をゆっくりねじ込むと、異物感で苦しいのか少し腰が引けたようで、ギュッと肩を掴まれた。

「力抜けぇ」
「、まっ…ぁ」

苦しげな武田の気をそらすため、胸の飾りに顔を近づけて舌で転がす。
「ぁ、あっ」と声が漏れて少し緩んだ隙に一気に指の根元まで捩じ込んだ。

「よーやっと1本か」
「はっ、…は、……、じょぉ…」
「もうちいと慣らさにゃーならんのぉ」

指を出し入れさせると徐々に動かしやすくなり、喘ぎ声にも艶が混じってきた。
根元まで入れて中で動かして広げたりしている間にもう1本指を捩じ込む。
今度はするりと入り込み、中でバラバラに動かしてさらに拡げていく。
武田のモノからはボクサーブリーフが濡れるほどの先走りが溢れてしまっていた。
無意識だろうか腰も動いていて、時折武田のモノが腹に擦れるのが分かる。
そのたびに身体がビクつき、後孔もキュッと締まるのがなんとも愛おしい。

「じょぉ、!も…ほしい、っ!」
「まだじゃ」
「や、だぁ…!はやくっ…、いたくてもいーからぁ!」
「…おめーが痛がるんはわしが見とうないけぇ、我慢せぇ」
「っ、あぁ、!」

指を3本に増やしさらに中で動かす。
イイトコロに指が掠ったのか、ビクビクと大きく身体を震わせて武田は呆気なく果てた。
「後ろだけでイケるんか」と茶化しつつ、それでも出し入れを止めないでいると、「や、ぁ!うご、かすな、ぁっ!」と泣き出してしまった。
仕方なく出し入れを止めて空いていた手で安心させるように背中を撫でると、武田は肩を掴んでいた手を離して、首に腕を回してきた。

「続きしてえーか」
「……ん、…」

武田が小さく頷いたのを確認して、再開する。
先程より顔が近いからか、艶のある喘ぎ声と息遣いがダイレクトに聞こえてきて、今すぐぶち込んでぐちゃぐちゃにしてやりたい衝動に駆られるが、なんとか抑えた。

「丈…」
「……、っ」

はっきりと名前を呼ぶ、蕩けた顔の武田に見下ろされ、思わずゴクリと喉が鳴る。
そのまま顔が近づいてきて、軽く触れるだけのキスをされた。
ゆっくりと離れていく唇は弧を描いていて、言葉にならないほど燃えたぎる情欲を明らかに見せつけていた。
我慢できず抱き寄せて深く口付けると、待っていたかのように舌を絡ませてきた。

「ん、っ…ふ、ぁ、……はぁ」

夢中で互いの口内を貪る。
名残惜しく離れると、先走りと精液で汚れたボクサーブリーフを脱がせ、爆発しそうな自身を取り出して慣らし尽くした後孔へ宛てがう。
「入れるぞ」と告げると武田は首を縦に小さく振った。
ゆっくりと挿入していくと、武田は躊躇いもなく受け入れた。
根元まで入ると、武田はその快感で再び精を放ったようで、荒く息を吐きながら身体をビクつかせていた。

「動けるか?」
「っ……、」

尋ねると大きく首を横に振り、抱きつく力が強くなる。
足もクロスさせて腰に絡みつかせ、完全ホールド状態になってしまった。
「動かしにくいけぇ、体勢変えるぞ」と告げて、繋がったまま武田を持ち上げてソファーに寝かせる。
いわゆる正常位になり、腰を深く打ちつけた。

「あぁっ、!あっ、ん、うあっ!」
「っ…武田ァ、!」
「丈…っ、丈…っあ!」

抉るたびに甘い声を上げて必死に名前を呼ぶ武田に、理性の糸が焼ききれるのが分かった。
涙を流して悦ぶ姿にさらに昂るのが分かる。
律動のたびにソファーが大きく軋むも、そんなことを気にするわけもなくただただ目の前の男を貪る。
曝け出された首元はほんのりと赤くなっており、噛みつくとどんな極上の肉よりも美味くて甘い。
噛むたびに後孔が締まり、少し滲んできた血を舐めとると身体が跳ねた。
口内に入ってきた血はなんとも言えない不思議な味がして、なぜだかとても興奮した。

(肉食獣ってなぁ、獲物を喰らう時こんな気分なんじゃろうか)

ならば今自分は武田を捕食しているのか、そう考えると背筋がゾクゾクと震えた。

「じょぉ…っ、!もう、イ、く…ぅ!」
「ワシもじゃ…、中に出すぞ…っ」
「っう、あああっ!」
「くぅっ…!」

ほぼ同時に精を吐き出して、自身を引き抜いたあとそのままソファーに沈み込んだ。
「おもい〜」と苦しそうな声を出す武田に笑いつつ、わざと体重をかける。
武田は「わざとだろてめー!」と暴れだしたが、ほろ酔い+事後の彼を易々と抑えつけ、離せと喚くその口を己のそれで塞いだ。

「一生離れてやらんわ」
「っえ……、じゃなくて!!重いんだよ…!どけって言ってんだ!」
「いやじゃ。のぉ武田、もーいっかいしよーや」
「う……」

二回戦のお誘いに、武田は言葉を詰まらせた。
追い討ちをかけるように「枯れるにゃはえーじゃろ」と囁いて、汗で張り付いたシャツの上から武田の身体をなぞると、「ぁ…っ、!」といい反応が返ってきた。
「かわえーのぉ」と笑うと「うるさい!」と怒られたものの、モゴモゴと「……あ、あと一回…だけ、だぞ」と消えそうな声で告げた。

「天国見せちゃるけぇ、覚悟しぃ」
「ぁっ、んぅっ…!」

お互いのシャツを脱ぎ捨てて、第二ラウンドが始まった。


この後朝まで二人は求め合い、その間ずっと支えていたソファーは壊れたのだった。


おわれ。


戻る

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -