帰り道。
私の荷物を片手で持ち、空いた手で私と手を繋いでくれている紳士光義くんと他愛のない会話で盛り上がっていた。
って言っても盛り上がってるのは私なんだけれど。
 
光義くんは私の話に相槌を打ちながら聞いてくれる。たまに食い気味にツッコミを入れてくるから多分ちゃんと聞いているはず。
 
「ところでよー名前。前から思ってたんだけどよ。」
 
 
 
一通り私が話し尽くしたところで光義くんが切り出した。
普段と同じような声色だったが、どことなく真剣味を帯びていたので黙って続きを待つことにした。
 
「お前俺なんかと一緒にいて楽しいか?」
 
その言葉に思わず立ち止まってしまった。
 
「何で?」
 
なんでそんなこと言うの?
 
「いや……俺は普通の野郎とはちげーしよ。怪我ばっかしてお前に心配かけまくってるし、お前を危険な目に合わせかねねぇ。」
 
私のことを心配してくれての発言だったらしい。
どこまでも不器用で優しい人だよ。
 
「私は仲間のために喧嘩して、私のことを大切にしてくれて、2時間サスペンスが好きで、気の使い方がどこかずれてる不器用で優しいそんな光義くんが大好きなんだけど伝わってなかった??」
 
「なんだそら」
 
光義くんの目を見てはっきり言うと“そらぁ褒めてんのか??”なんて言いながら照れたように笑う彼の姿が映った。
やっぱ好きだなぁ。

「それに。鳳仙に乗り込んで来るような女が光義くんが想像するような男の人で満足できるわけないでしょ」
 
「オメーーーっやっぱわかっててやってんじゃねぇかよ!!!!!!」
 
「何のこと???」
 
「とぼけても次から出禁にしてやっからな!!!」
 
「ジョーさんに泣きついてやるもんね〜〜だ!!!!!」
 

その後はいつも通りアホやりながら家まで帰った。
今日も今日とて私達の日常は平和である。

 



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