07

去年に比べてゼットンと会う回数が減った。
たまにお互い息抜きでお茶をしたり夕飯をご馳走になったり、その時に質問されたりするけれどそれくらいでほとんど近況報告会になっていた。
今日も数ヶ月ぶりにゼットンとカフェでお茶をしているけれど、もっぱら勉強と就活の話である。

「そういやよぉ、名前最近やつれたか??」

「え?なにが??」

紅茶のおかわりを頼んで店員さんの後ろ姿を見送っていると、ゼットンからひょんな質問をされた。

「いや、女にこんな事言うのは失礼だと思うんだけどよ……。正面からだとわからなかったけど横から見てなんか細くなった…?っていうか、不健康っぽそうっていうか…??よくわかんねぇんだけどよ」

「え、そ、そうかなぁ……そんな事ないよ〜!!!確かに忙しいけど!!疲れてるだけじゃない??」

図星だった。
インターン先、つまり就職を見据えたバイト先が見つからなくて正直まともに寝れていない。いいなぁと思うところは尽くダメだったのだ。
最近では食べ物も喉を通らなくなってきた始末。今日もパフェを目の前で食べるゼットンを見ているだけで私は紅茶のみである。

まさかそれを指摘されるとは思っていなかったので吃驚した。よく見てるなぁ……。

「そうか……?まああんま無理すんなよ?」

ゼットンは怪訝な顔をしていたけれど、心配をかけるわけにはいけない。私が足を引っ張っちゃいけない。

「うん!!心配してくれてありがとう!!」

私はちゃんと笑顔を作れているだろうか。


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