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その後も特に変わったこともなく、ボチボチ実習と座学を受けバイトをして、ゼットンに勉強を教え、と何事もなく過ぎていき、気が付いたら年明け目前である。
2年制の学校なので、私はそろそろ就活のことも考えて動かないといけない時期でもある。
授業日程の中にも就活セミナーやインターンシップ説明会などの項目がちらほら目に入る様になってきた。

「あ〜どうしよ」

自宅で後期の授業スケジュールを見ながら予定を組んでいるけれど全く決まらない。
持っていたペンを机の上に投げてひと伸びすると、丁度良いタイミングでスマホが鳴った。

「もしもし??」

「名前か?俺だけどよ」

「ゼットン!どうしたのー??」

電話の相手はゼットンだった。

「いや、特に用とかはねぇんだけどよ。今日出願してきたからその報告しようと思ってよ」

先日一緒に書いた願書を本日提出してきたようである。書くのも苦労したんだよねぇ。書き終わる直前で文字ミスに気付いて発狂するなんてこともあったし、と思い出話に花を咲かせて暫くくだらない話をしていた。

「なにはともあれお疲れ様!!ゼットンもラストスパートって感じだねぇ。私もさぁ、そろそろ就活の事考えないとだからなかなか会えないけどお互いがんばろうね!」

「おう!!そしたら会うの減らすか。俺も追い込みかけねぇとだし、次会うのはお互い落ち着いたらになりそうだな」

「そうだね」

その後はこの前後輩に会った話や私の地元の友達の話をして電話を切った。

ゼットンも頑張っているのだから私も頑張らないと。
投げたせいで机から床に転がってしまったペンを拾って”よしっ!”と自分に喝を入れ、予定の練り直しにかかった。



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