「名前なんか最近楽しそうだな」
地元の友人友人の名前と定期的に近況報告会を電話でしているのだが、声でわかるくらい私のテンションは高いようである。
確かに引っ越し直後にホームシックにかかって鬼電したのはほんの数ヶ月前の話だ。
そういえばゼットンのこと友人の名前に言っていなかったなと思い、3月頃からの話をしたら案の定爆笑された。
「ほんとお前変な所で情に厚いって言うか、優しいって言うか…。それが名前の良い所なんだけどよ。ただ、どんな奴かもわからないんだから家に入れようとすんな。お前抜けてるし」
散々笑い散らかした後、時間差で友人の名前にも怒られた。別に私だって誰彼かまわず呼ぶわけじゃないんだけどなぁ。心配してくれるの本当にありがたいんだけども友人の名前の私に対する保護者度が年々上がっている気がするよ。上げさせてるのは私か。
「善処します」
「遵守しろばか」
「ぴぇん」
ぴえん。
「ところでそのゼットンって奴はどうなんだ?」
「どうって?最近は中学数学も解ける様になってきたよ!」
私が話をまともに聞いていないのを”いつものことか”とスルーして、友人の名前はとっとと別の話題に変えてきた。
「違うそうじゃない。ってかそれもそれでどうなんだ…?俺が言いたいのはそいつの事好きなんか?って事なんだけどよ」
高卒で大学受験してますって人が中学数学解ける様になってきたとか言われてもそりゃあ困惑するよね。わかる。
「へ?ゼットンの事??好きだよ?話し合うし面白いし。夢もしっかりしてるし応援したいなって思うから出来る限りの協力したくてさ〜!」
「じゃあ恋愛感情とかではねぇんだな?」
「ないない!!気が合う友達って感じかな!!それに今ゼットンにそんな余裕もないよ!!」
話題が変わったと思っていたけれど、よく考えたらこれ変わってないわ。友人の名前は私が恋愛感情から家に入れてもいいと判断したと思っている様である。私とんだ箱入り娘だな?!?
「それもそうか…。まぁともかく名前は女でそいつは男なんだ。お前にその気がなくても相手はどうかわからないし、力で勝てないんだから気をつけるに越した事はねぇよ。」
「はいママ」
「誰がママじゃ」