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「えっと、りょー……か、い、で…す。」
送信、と人差し指を滑らす。
「わーぁ!!イリアちゃんってスマフォなんだ!!すっげー、最新だー!!」
「あ、ホントだ!!イリアちゃんかっこいいですね!!」
アタシのケータイを見ながら砕牙さんと伊月ちゃんが騒ぐ。
「ノリで買ってみただけデス。…でもまだ慣れなくて使いづらいデス…。」
「へぇ〜…。あ、そうですよ!!イリアちゃん、メアド交換しましょう!!」
「ぇう?」
急な提案に、思わず変な声が出る。
「ね、いいですよね?」
鞄からクマやリボンのついたオレンジ色のケータイを出して、身を乗り出しながら聞いてくる伊月ちゃんに、半ば押し切られるように頷く。
「そういえば交換してませんでしたね。」
普段使わない赤外線機能を探していると、私もいいですか?と椎名ちゃんも白いケータイを持って近づいてきた。
「あ、アタシは別に構わないデス。」
赤外線でデータを送り、ついでに送ってもらっていると伊月ちゃんの後ろから
「女の子達ばっかずるーい!!オレも交換したい!!」
と言って砕牙さんも便乗して黒いケータイをポケットから出した。
その黒いケータイを見て、伊月ちゃんが
「あれ、そっちなんですね?」
と睨むような、呆れるような視線を砕牙さんに送っていた。
「まーね。イリアちゃんは…たぶんこれからも遊ぶだろうし。」
「ふーん?そんなこと言っていずれはあっちのケータイに移したりするんじゃないんですか?」
伊月ちゃんがそう言うと、砕牙さんは少し顔を伏せてケータイを口元に当てた。
「オレ、人を見るは結構自信あるよ。」
俯いたまま視線だけをこっちに向けて、ニヤリと笑うその姿に、心臓が軽くはねた。
「っ!?さ、砕牙先輩なんかエロいです!!」
「えぇっ!?お、オレってエロいの!?」
砕牙さんは隣にいた海斗さんに掴みかかって、面白いくらい狼狽えながら聞いていた。

伊月ちゃんと砕牙さんの会話はよくわからなかったけれど………砕牙さんはたまに無意識にエロいっていうことを学んだ。

「じゃあオレのデータ送るから後でメールしてよ。」
ケータイを開いてヘラリと笑う砕牙さんに少し面食らう。
「え、アタシも赤外線、送るデスよ?」
「いやいや。女の子がそう簡単にケータイバンゴー教えちゃダメでしょ。」
苦笑する砕牙さんの背後から海斗さんが、ぼそりとこの無自覚女たらしがと呟いたのをスルーしといた。
「…じゃあお言葉に甘えとくデス。」
「ん。いい子いい子。」
うんうんと頷きながら赤外線を送信してくる砕牙さん。登録も完了したので簡単にタイトルに名前を入れて、空メールを送った。
「お、メール。……ってイリアちゃんから!!」
わーいなんて言いながら笑顔でケータイを見つめてた砕牙さんは、すぐに悲しそうな顔になった。
「うぅ、まさかの空メール…。でもちゃんと登録しとくよイリアちゃん。」
しょぼーんとでも効果音が付きそうな砕牙さんによろしくデスと一言言っておいた。
「……海斗さんも交換、するデス?」
ただ一人蚊帳の外な海斗さんに声をかければ、海斗さんは何とも形容しがたい微妙な表情をした。
「あー………。本人がああ言ってるんだが?」
海斗さんはそうアタシ達の後ろの方に声をかけた。
「ダメに決まってるだろ。イリアちゃんのメアドは俺だけが知ってればいいっての。」
あ、女の子たちは別ね。と、その声にふり返れば、不機嫌ですと顔いっぱいに書いてある楼亜と、その隣にルカがいた。
「……アタシのケータイの中まで楼亜に管理されたくないデス。」
「お。じゃあそれ以外は管理させてくれるんだ?」
「却下デスーッ!!」

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長くなりそうなので中途半端だが切る←

111117







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