かくれんぼ
-グランコクマ・某日宮殿内-
よく晴れた昼。
レインはマルクトの皇帝と今日ものんびり遊んでいた。
「ピオニーさん、レインが10数え終わるまでに隠れてね!」
「わかった。じゃあちゃんと数えろよー!」
ピオニーはどこまでも大人げなく走ってすぐに消えた。
レインはあどけない声で数えだす。
「いーち、にー、さーん、よーん、ごー、ろくー、ななー、はちー、きゅー、じゅー!よし、れっつごー!」
無邪気な声が、響く。
そしてそんなレインを見つめる男が一人。
マルクト帝国軍特殊部隊を統べるジェミニだった。
「…ピオニーめ、またレインをダシに逃げたな…」
呆れながらレインにジェミニは近づく。
ジェミニはレインに近寄ると声をかけた。
「レイン。何をしているのですか?」
「あ、ジェミニさん!今ピオニーさんとかくれんぼしてるの!ジェミニさんもする?」
「いえ、私は……いや、じゃあ私も探すの手伝いますよ」
「ほんと?」
「はい」
にっこりと模範的な笑みを浮かべジェミニはレインの手を握る。
「じゃあ、探しに行きましょうか」
「うん!」
その頃、ピオニーはというとなぜかレプリカジェイドのもとに居た。
「…というわけだ。隠れ場所をどこでもいいから教えてくれ、ジェイル」
「……は、い。じゃあ…私に、ついてきて……ください」
ジェイル、そう呼ばれた無機質な存在はどこかふんわりとした温かいオーラ的な何かをまとっている。
「あの、本当、に…どこでも、いいのです、か?」
「いいって。だから頼む!」
「……後悔、する、駄目」
最後に意味深な言葉を言ってからジェイルは歩いていた。
「見つかりませんねぇ〜多分ピオニーは何かしらの手をつかって逃げていますね」
「何かしらの手ー?」
「誰かに隠れるのを手伝って貰っているとか」
ジェミニは無駄に鋭い。
レインはそれを純粋に称賛した目で見ている。
「じゃあ、いろんなところ一杯探さないと駄目…?」
「いえ、大体予想がつきます。レイン、この樹を揺すってください」
「?……うん」
レインが力いっぱい揺すると樹から声がした。
「うおおっ!ちょっ、やめろ!落ちる」
「仕事しない馬鹿皇帝はそのまま従者と落ちなさい!」
サラっと不敬罪な発言をしているジェミニ。
そしてレインはただ言われたとおりに樹を揺すり続ける。
「レイン…!」
そしてピオニーは落下した。
軽く腕をひねったらしくピオニーは痛そうな顔をしている。
「ピオニーさん見っけ!」
「…ジェミニ、お前…」
「私は親切ですからね。卑怯な皇帝を見つける為にレインのお手伝いをしただけですよ」
そう言ってジェミニは目をそらす。
そしてそれを上から見ていたジェイルも降りてきた。
「ピオニー様……怪我、治療…しない、と」
「いや、このくらいだったら大丈夫だ」
「でも…!ぁぅ…」
「いいっていいって。だから…俺が怪我した腕を絞めつけるな」
「レイン…手加減、覚え、…ない、と…駄目、ですよ?」
「はーい…」
微妙に理不尽な説教をジェイルから受けているレインを苦笑しながら二人は見ていた。
「それでは戻りましょうか。そろそろ夕飯ですし」
「レインお腹すいた〜」
「…空腹、ん…」
「ピオニー、さっさと帰りますよ。ジェイドキレてますから」
「うわぁ…最悪だ」
そんな、他愛もない一日。
fin
是非、コラボをお願いします!と無理を言った所、こんな素敵文で私の我が儘を叶えて下さりました!…言ってみるものですね(くたばれ
とりあえずジェイルさんとジェミニさんに萌え。
絶対無理とか言っておきながら隠れ場所を教えるジェイルさんに不敬罪を普通に犯しちゃうジェミニさんに萌えない訳がない。そしてレインも可愛く書いて頂けて光栄です…。
何はともあれ、この度は相互リンクありがとうございました!
※)ジェミニさんの変換は固定とさせて頂きました。もし問題があるようでしたらご一報下さいませ。すぐに直しに掛かりますので
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