「大佐〜ガイ〜、暇〜」
全てはアニスのこの一言から始まったのである。
「アニス、残念ながら私も退屈です」
「何かゲームでもしませんか〜?」
「ゲームたってこんな所じゃ何も出来ないと思うが…」
水上の帝都グランコクマで自由行動を取ることにした面々は待ち合わせ場所を宿屋とし、各々遊びに行ったのだが、何故か残ってしまった大佐と伯爵と奏長の3人はその待ち合わせ場所に留まり遊びを考えていた。そして頭を捻って悩むこと数分、アニスが閃いたと声を上げた。
「叩いて被ってジャンケンポンでもやろうよ!」
「…ヘルメットもピコピコハンマーも無いぞ」
「ではピコピコハンマーの代わりに槍で「却下だ!却下!」」
「ヘルメットもピコピコハンマーもちゃんとあるだなー、これが♪」
何処からともなくピコピコハンマーとヘルメットを取り出し、得意げに鼻を鳴らす。その光景に唖然とするガイであった。
「…そんなもの何処に隠してたんだ」
「アニスちゃんには物を隠す場所なんていくらでもあるもーんvV」
主にトクナガの腹の中とか、と茶々を入れるジェイドを余所にピコピコハンマーを片手にガイにじりじりとにじり寄る。
「勿論、やるよね?ガイー?」
「わわわわかった!やるから!やるから離れてくれ!」
彼の女性恐怖症をいいことに抱き着いて参加を強制し、ジェイドの方へ振り向く。
「大佐も強制参加ですからね」
「おやおや、私もですか?いやですねぇ」
口ではそう言っているもののやたらノリノリなジェイドにアニスはまたしても思い付いたように言った。
「ただやるだけじゃ面白くないし、負けた方は罰ゲームね♪」
「アニス、こんな所で何をやらせる気ですか?」
「それは負けてからのお楽しみ。今バラしちゃったら面白くないもん♪」
いやに上機嫌なアニスは時にとんでもないことを言い出す。嫌な予感がしてならないガイであった。
「用意、始め――」
「「叩いて被ってジャンケンポン!」」
まず先手を取ったのはガイ。
シグムント流剣士のスピードもジェイドの超人的反射神経により防御される。
「「叩いて被ってジャンケンポン!」」
またしてもじゃんけんではガイが勝利。しかし後の攻防戦に勝てないのでは意味が無い。
―――叩いて被ってジャンケンポン!」」
じゃんけんで勝って事無きを得ていたのだが、数回後あろうことか要であるじゃんけんで負けた。
「これで終わりです!」
バコン。
ジェイドが振ればピコピコハンマーも凶器と化す訳で。それで容赦無く叩かれたガイは当然気絶。
「あーあ、ガイ負けちゃったー」
「さあアニス、罰ゲームの内容を教えなさい」
「それはですね、――」
無様に倒れているガイをそのままにひそひそと内緒話をして、悪魔も青くなる程意地悪く笑った。
気絶状態から華麗に復活を果たしたガイは起き上がる。動きに違和感を感じ、視線を下にずらせば…
「――のわぁぁあああ!」
その先にあったもの、それは
「何でナース服なんだぁああ!?」
「趣味です」
「メイド服とかじゃ在り来りで面白くないでしょ?」
「まさか罰ゲームって…」
「ええ、お察しの通り女装<コレ>ですvV」
「女装でーすvV」
おふざけにも限度というものがあるだろ、と思いはしたがこの2人に何を言っても無駄だと理解し、喉まで上がってきた言葉を飲み込んだ。
「さあ、ガイ。お楽しみは、これからですよ?」
悪ふざけの度を超越した宴の火ぶたが切って落とされた。
悪夢はまだまだ始まったばかり!
End.
10/01/19
▽後書き
AGJでギャグということで女装ネタにしてみました!見事オチが無いという。そしてあんまり笑う所も無いような…いい大人が宿屋で叩いて被ってジャンケンポンやってるのも如何なものかと思いはしました←
書き直し要請、苦情はいつまでも受け付けておりますので気に食わない場合は遠慮無くどうぞ^^
部子様、この度は相互リンクして下さってありがとうございました!これからも末永くお付き合い下さると泣いて喜びます!
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