カンカン筆箱

忍足「うわ! これ懐かし!」
山田「? 何が?」
白石「うわ! これ使とるやつ久しぶりに見たわ」
山田「え? なんなん?」
忍足「このカンカン素材の2段になっとるペンケース一時期めっちゃ流行ったけど、今使っとるやつおらんやろ」
山田「ちょっと待ちぃや。 現在進行形で目の前におるやん。」
白石「華子、筆箱ちゃうやつ使ってへんかった? キキのやつ」
山田「キキは人間の方やろ。 あたしが使っとったんはジジの筆箱やわ」
忍足「せや! あのネコの! あれどないしたん!? 俺お気に入りやったのに!」
白石「謙也がジジ好きやったとか初耳やねんけど 」
山田「 あれなー、色ペンの蓋閉めるん忘れてて真っ赤になってもうたから洗濯してん。今頃ベランダで干されてるわ」
忍足「ジジいいいいいい!」
白石「その言い方なんかちゃうもんに聞こえるわ」

キーンコーンカーンコーン

教師「はーい。 ちびっ子ども席に付けえー。楽しい楽しい数学の始まりやでえ」
山田「センセ、来るの早いわ」
教師「グダグダ言うてんと席座れ〜。 ほな前の続きから始めんで〜。93ページ開いて〜」

(みんな真面目に授業を受けているようです。)

教師「ほなこの問題…吉田にやってもらおかな」
山田「 (この傾向やと次当たるん謙也やな…って謙也寝とるやん)」
忍足「………」
山田「謙也、はよ起きな次当たんで」
忍足「………」
山田「あかん、完全に夢の中やわ」
教師「よっしゃ、吉田大正解や!ほな次の問題を〜…グースカ寝とる忍足にやってもらおかな」
山田「センセー、忍足くん声かけても起きませーん」
教師「ん〜ほんなら代わりに山田にこの問題やってもらおかな」
山田「はあ?!おかしいおかしい!!なんでやねん!! ………あ、」

(山田さんが勢いよく立ったせいで、山田さんのカンカン筆箱が床に落ちました。)

カーーーーーーン!!!

忍足「うっひゃあ!!!」
山田「うるっさ! てか謙也驚きすぎやわ」
教師「目覚めたか忍足ィ〜。 椅子から転げ落ちとんちゃうぞ〜」
忍足「え? なんなん? え?」
山田「ええから謙也はよ椅子座りや。 その体勢、結構間抜けやで」
教師「なんやおもろいポーズしとんな。 体はって笑い取った忍足は免除や。 代わりに山田次の問題やって」
山田「結局あたしなんかい!」
忍足「(イマイチ状況が分からんけど、なんや当たるの免れた…?)」

(授業が終わって休み時間)

白石「謙也『うっひゃあ…!』言うて椅子から落ちとったな」
忍足「それ言わんといてや。自分でよく状況分かってへんねん…」
山田「謙也がおもろい転け方したせいであたし当てられたんやからな! 一刻も早く筆箱ジジに戻すわ」
忍足・白石「(あ、機嫌悪い)」