数え切れないほどのキスで

 










「………アン」








「……うん」










アンは小さく頷きながら、消え入りそうな声でルイに答えた。










「ルイが好きなように、して」








「…そんなこと、言っていいの?途中で止めたりしないよ」










ルイの瞳が明らかな熱を帯びていく。

アンを愛しいと思う気持ちが、身も心も焦がすように身体中に燃え広がる。










「ルイになら、何されても嬉しいの。愛してるから…ルイのこと、もっといっぱい教えて」








「……ほんとに、知らないよ」










何かを堪えるように絞り出した声が耳元で囁き、次の瞬間には優しく唇と唇が触れ合った。










「…ん……」










食んでは唇の柔らかさを楽しむように、ルイはキスを繰り返す。

すると、アンがキスの途中ふふっと笑った。










「……何?」










唇が触れ合う距離でルイが囁く。










「ルイがこんなにキス魔だなんて、知ってるのは私だけかなって思って」








「アンがそうさせてるんでしょ。…俺だって、こんな自分、知らなかった」








「ルイ、可愛い」










ルイは照れ隠しに瞼を伏せると、アンの頬にそっと触れた。

そして、その手を徐々に首筋へと撫でるように滑らせながら這わせていく。










「…っ……」








「……可愛くなんかない。これから、アンを食べる狼になるんだから」








「ぁ……っ」










首筋へ下りてきていた手が、アンの柔らかな胸に触れると、アンの口から甘い声が漏れた。

その反応に誘われるようにルイはアンに唇を寄せ、触れ合ったと同時に舌を滑り込ませていく。










「…っ……ん…ぅ…」










ベッドに横になったままキスはどんどん深まり、やがてルイの片手がアンの片脚に触れた。


そうっと触れたのに、その手は大胆に膝を持ち上げて、アンの足を大きく広げさせた。



くちゅ……と、確かな水音を響かせたのは、ルイの指が下着越しに触れた秘部で。

中性的な美しさを持つルイの顔が、息荒く雄に変化していく様を、アンは熱に浮かされながら見つめる。










「アン…やらしい。もう、こんなに濡れてる」








「っ…言わ、ないで」








「ここ、こうされるの、好きでしょ?」










恥ずかしさに閉じた瞼でも、その嬉しそうな声音を聞けば、ルイが今どんなに嬉しそうに、そして少し意地悪に微笑んでいるのが容易く想像できてしまう。





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