「名前先輩、今週の日曜日よかったら一緒に映画観に行きません?」
「あーごめん。その日はブン太とケーキ食べに行く約束してるんだよね。」
「そうっスか。じゃあまた今度行きましょう。」
「うんそうだね。じゃあバイバイ。」
「はい。お疲れ様です。」
「はぁ…。」
「そんなに落ち込むなよ。また誘えばいいだろ。」
「でも今まで何回も誘ったんですけど一回もOKもらえてないんすよ?」
「誘い続けてたらOKもらえるって。」
「もう絶対無理ですって。脈無いですもん。」
「大丈夫だって。頑張れよ。女は押しに弱いんだから。」
「ジャッカル先輩に言われても説得力ないっすよ。」
「なんだよ、人が応援してやってるのに。俺帰るな。じゃあな。」
「お疲れ様でした。」
部室を出ると名字がいた。
「また盗み聞きしてたのか?いい加減にしろよな。」
「だって落ち込んでる赤也、可愛いんだもん。」
「悪趣味だぞ。」
こいつは赤也が自分に気があることを知ってている。その上で敢えて誘いを断っている。自分も赤也が好きなくせに。
「あんまり引っ張り過ぎると他の女にいっちゃうぞ。」
「まだ大丈夫。」
「お前なぁ。」
「誘いを断られて落ち込んでる姿が最高に可愛くて仕方ないの。愛されてるって感じ。」
「本当に悪趣味だな。言っちまうぞ。」
「ダメダメ!もう我慢できなくなって一気に距離を詰めてくるの待ってんだから邪魔しないで。」
「最低だ。」
こいつのこういう所を知ったら赤也はどう思うんだろうな。俺が教えてやりたいが後が怖い。こいつは幸村の次に敵にしたくない相手だからな。仕方なく端から見ていることにしよう。すまない赤也。
20141109
デモーニッシュ=悪魔のような
title:愛とかだるい
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