素敵だわ。なんて素敵なの。大石秀一郎様。私は一生あなたについていくわ。
私の名前は名字名前。青春学園2年テニス部マネージャー。
「おい1年!タイム落ちてるぞ!上げていけ!」
「「はい!」」
あぁ。後輩を指導している姿。なんて男らしいの。
「名字。ボールの追加を頼む。」
「はい。」
後輩たちに声をかけている時は違う柔らかい表情を向けるあなた。素敵すぎる。普段はとっても優しい顔をしてるけど指導となったらたちまち男らしい顔になる。そのギャップが堪らない。
私はボールを追加し終わりタオルを取りに部室に入る。すると何やら考え事をしているのか苦しい表情をした大石がいた。
「ボール追加しときました。」
「あぁ。ありがとう。」
「何か考え事ですか?」
「まぁね。」
そう言って大石は目を瞑り考えに更ける。
一体何を考えているのだろ。大石様のことだから部員のことを考えているのだろうか。なんて愛情の深いひとなんだろう。その姿はまるで仏様のようだ。もう光輝いていて眩しくて直視できない。
「はぁ。」
溜め息をついた大石は胃薬を出して飲んだ。
「また胃薬ですか。」
「あぁ。考え事をすると胃が痛くなっちゃって。手放せないよ。」
苦笑いしながら大石はそう言った。
私は考える。どうやったらこの人がこれから先胃薬無しで生きていけるのかを。私が専属の医者になる?いやいや、それでは根本的な解決になっていない気がする。では何が必要か。それは大石様の悩みを取り除いてあげること。そのために私は何をすればいい。……そうだ!
「私が大石さんの犬になります!何でも仰ってください!大石さんの悩みを全て解決してみせます!」
「えぇっ!名字何を言ってるんだい!?」
「ですから私はあなたの犬になると言ってるんです。何なりと申し付けください。」
「……。」
それ以来大石の胃薬の量が増えたらしい。
20140911
オチが微妙。当初はもっと大石の爽やかさを全面に出す予定だったのに。書き直そっかな…。
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