「ごめんなさい、待ちました?」

目の前の同窓会をしている彼等に尋ねる

「おせーぞー、真琴」

奥に座る彼が自分の右隣の空席を軽く叩いている

ここに座れと言っているようだ

「遅くなりました、赤也くん」

両手を合わせるともう気にしていない様子の彼は私に尋ねる

「真田先輩は?」

赤也くんは乾杯用に私にビールを注ぎ渡してくれる

「ありがとう。弦一郎さんは来ません。お仕事が忙しいみたいなの。」

苦笑しながら当時の部長へと目をむける

「みんな、久しぶりだね。今日は昔に戻っていっぱい騒ごう。乾杯」

幸村くんの挨拶でみんなが乾杯をし、お酒を飲む

「あ、赤也くん。タバコの煙大丈夫?」

煙草を取り出してから慌てて確認する。

「大丈夫だけど、お前がタバコ吸うなんて意外だな」

灰皿をこちらに渡してくれた

「専業主婦でもストレスはたまるのよ」

ふふっと笑うと煙草に火をつける

みんな相変わらずで本当に学生時代に戻ったのではと錯覚してしまう

「すまない、仕事が終わらずに遅れてしまった」

個室の扉が開くとそこには蓮二くんがいた

「遅いですよ、蓮二くん。」

私は先ほど自分がされたように、自分の右隣の席を勧める

走ってきたのだろうか。

汗をかきながらスーツの上着を脱ぎ、ネクタイを緩めている

その間にビールを注いであげる

「ああ、すまないな真琴」

隣の赤也と三人で乾杯する

「昔からですけど二人は仲良いッスよね。」

三杯目のビールを空ける赤也

それに新しいお酒を注ぐ

「そうか?まぁ、元々は恋人だしな」

ケロっとした顔で隠し事を晒す元恋人

「ええええええ!?」

赤也くんは物凄く驚いている

「急に言ったら驚くわよね。中学3年生の時の話よ」

煙草を吸いながら赤也くんの驚いた顔を見る

「え、知らなかった!先輩知ってました?」

話題をジャッカルくんへと振る

「まあ、薄々な。」

こちらもケロッとしている

ジャッカルくんと幸村くんは知っていたはずだ

わたし達の些細な喧嘩を目撃しているのだから

ジャッカルくんと赤也くんはその話で大盛り上がりしている

私は新しい煙草に火を付けてから蓮二くんに小声で話しかける

「この間はありがとう。ごめんね」




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