「若、お誕生日おめでとう!!」

ぴったり日付が変わった瞬間、

ソファに座って携帯を弄る彼に祝言葉を述べた

「ああ、ありがとう」

彼はちらりと壁掛け時計を見て納得している

今日は12/5、彼の誕生日

今年は折角同棲していて、一緒にいるのだから

こういう事がしたくて起きていた

「じゃーん!プレゼントあるよ〜」

私は隠していた紙袋を取り出すと、若に笑顔で渡した

この日の為にずっと悩んでいたプレゼント

彼は一瞬驚いた様な顔をしてから、徐々に頬を緩めて赤く染めた

「……さんきゅ」

照れた顔が可愛くて、普段なら無愛想だと思う返事が嬉しくて

彼の横に座るとまじまじと見つめた

「開けて開けて!」

子供のようにそう急かせば

彼は少し困ったように笑った後、はいはいと言いながら包みを開く

その中身に彼は呆然としていた

驚いた様な、困った様な不思議な顔で私を見ている

私は耐えられなくて、笑いが零れた

「ふふ、驚いてる」

私の言葉に、何と言おうか言葉を探し

しどろもどろになっていた

「え?あ…と?ん?」

自分の声に自分で困惑したまま

何度も言葉を探す彼が愛おしくて待ちきれない

私が彼に贈ったものは“指輪”

エンゲージリング

内側に私と若の名前が掘ってある

そして

「結婚しよ?若」

私のその言葉に、彼は私を抱きしめた

強く強く、愛おしそうに

「痛いよ、若」

本気とはとても思えない程甘い声が喉から出て

愛おしくて、大好きな、アナタを抱きしめ返した

「……ずるいぞ。真琴から言うなんて」

耳元から聞こえる甘い声に酔いしれて

私の“逆プロポーズ”は成功した

「ずっと一緒に居たいから」

そう、強く思ったから

「愛してる」

アナタ以外に欲しいものなんてない

だからとっておきの日の

とっておきの特別な出来事

「若、返事は?」

そっと顔を上げて、彼の頬を撫でる

耳まで赤く染まる彼の顔が近づいて

「当たり前だ。……ずっと傍に居ろ」

その言葉に誓いを立てるようなキスをした

彼の産まれた大切な日に

私との大切な日を重ねて

二人で大切な日にしよう

「お誕生日おめでとう」




END
→あとがき





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