私に甘えと優しい時間をくれる

そんな彼が大好きで、大好きで

彼無しでは生きていけないんです

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「もりくん帰ろー!」

空にはもう日がなく、辺りは真っ暗な時間

特に部活をしている訳でも無い私は、適当に時間を潰して

彼氏の部活終わりを待つ

それは付き合い出してからの日課になっていた

「この時期は日が落ちるのが早いし、先に帰っていいよ?」

最近彼はよくこの言葉を口にする

「いいじゃん。もりくんが送ってくれるんだし」

私はいつもそう言って彼の手を握る

けれど、今日の彼は珍しく引き下がらなかった

「お前も友達と帰ったり、遊びに行ったりすればいいじゃん。

部活やってるわけでもないし」

彼は私の方を見ずにそう言葉を投げた

「なに?迷惑なの?」

私は不服だと不満の声を上げるが、彼はやっぱり引き下がってくれなくて

私に知られたくないことがあるみたいに見えた

「え?浮気でもしたいの?」

私がふざけてそう言えば、あからさまなため息をついた

「なあ、俺はさ、

バレーも友達も大事でさ

そりゃお前のことも大事だけど。

思うんだけど、お前は俺に依存しすぎじゃないか?」

彼の言葉に私の心はすうっと冷たくなる

「私はもりくんが大好きで、私にはもりくんしかいないから……!!」

目頭が熱くなり、それを必死に堪えながら

私は彼に縋る

「もりくんが私の全てなの…!」

伝えたくて、知って欲しくて

私は彼の目を捉えようとするけど

彼は一度も私を見なかった

それが悔しくて、悲しくて

私は愛おしい彼の首に手をかけた

「な、なにし……」

彼は必死にもがき、私の手を引き剥がした

「何考えてんだよ!俺を殺したいのか!?」

珍しくもりくんが、とても怒っていて

やっぱり私は悲しかった

「私、アナタの居ない世界なんて、

アナタが私を愛してくれない世界なんて


いらない」

私はポケットに隠し持っていたサバイバルナイフを首筋に当て

「せめてもりくんの中でだけ

生きていたい」

そう言うと手に力を込めた


あつい、あつい

一瞬だけ考える間があったけど

あとは暗闇に落ちていくだけ

ねえ、もりくん

アナタはきっと

一生、私を忘れられない

そうさせてあげる



END
→あとがき




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