それは東京遠征での就寝時間のお話

お決まりの、あの話題になりました

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「みなさんお疲れ様っすー!」

私は布団にダイブして周りにそう言った

今回の遠征、マネージャーはみんなこの教室で寝泊りしています

女子が集まってする話は愚痴か恋話

「みなさん、恋人はいるんですかー?」

そう切り出したのは生川マネの宮ノ下さんだった

「お、おおお女子会…!」

やっちゃんはとても楽しそうに目を煌かせている

「あ、私いますよー。バレー部じゃ無いですけどね」

そう照れ笑いしたのは森然マネの大滝さん

「あ、良かった〜仲間!私の彼も違う部活なの!」

宮ノ下さんは安心したように大滝さんの手を握っている

「……実は私も」

そっと手を上げたのは潔子さんだった

「あー、ウチじゃみんな知ってますけどね。潔子さんとスガさんカップル」

私がそう言うと、みんな凄く驚いている

「え、あのしっかりしてる人だよね!?やだー、言ってよー」

にやにやと笑う彼女は梟谷マネの雀田さん

「そう言う雀田さんは?」

私が尋ねると彼女は顔を赤らめて俯いた

隣でお菓子を貪り食っている梟谷マネの白福さんが、それを見てけろりと言う

「かおりは木葉に片想い中ですよー」

それを聞いた雀田さんは顔を更に赤くして白福さんの頬を摘んでいる

「いひゃいよ…」

やっちゃんがまあまあと間に割って入っている

「そう言う白福さんは?」

そう尋ねると彼女はうーん…と唸り

「私は完全フリーかなあ。食べ物くれる人は基本好きだけど〜」

そう言いつつ手元のお菓子を再び食べだす

その場にいた全員が“餌付けだな…”と納得したのだった

「やっちゃんは…ああ、日向か」

私は言わずもがなとその先を飲み込んだ

「ひょえっ!?ななな、なぜわかったんですか!?」

やっちゃんの顔は真っ赤になり、私たちはくすくすと笑う

「見てればわかるよ。お似合いだし!」

私はやっちゃんにそう笑いかけた

「あー、10番の子?確かにお似合いだねー!」

宮ノ下さんが可愛らしく手を合わせながら言うと

雀田さんも理解したようで“あー、あの子か”と呟いている

「お二人の親密度は?」

大滝さんが目を輝かせながら聞くと、やっちゃんは半ば諦めたように

「特に進展はありませんよ…日向ですし…」

遠い目をしながらそう言うやっちゃんに一同“ああ…”と同情の目を向けた

「さて、明日も早いしそろそろ寝ますか」

私はそう言うと布団を被った

「あ、ずるーい!吉野さんは?」

そう聞かれたが“秘密です”と応え、そのまま眠りについた

女子会はお開きになり、夜は明けたのだった




END
→あとがき





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